空中戦を劇的に変える新兵器X-68A開発

戦闘機操縦者の空中戦能力に期待しない空対空兵器
何故か空軍研究所ではなく国防省研究所が担当
FだけでなくBやCにも搭載し空中戦ミサイル発射
投下発射型母体からミサイル子弾を複数発射
既に空洞試験終え、2026年中に実飛行試験

2月17日米国防省の高等研究所DARPAが、2021年から開発を始め、「空中戦を根本的に変える」可能性を持つと期待されている「複数の空対空兵器運搬用の空中発射型ドローン X-68A LongShot」の飛行試験が、早ければ2026年末にも開始されるだろうと発表しました。

X-68A LongShotの使用イメージや狙いは・・・
●複数の空対空ミサイルを搭載する無人空中発射母機システムで、搭載母機には戦闘機だけでなく、爆撃機や(X-68Aをパレタイズ搭載する)輸送機も想定
●搭載母機から発射後は、強固に防御された敵防空エリアを比較的低速で進行した後、内蔵した複数の高速高エネルギー空対空ミサイルを発射し敵機を撃墜

●従来の有人戦闘機を「前線から遠ざけ」て「操縦者の安全性を飛躍的に向上」させ、同時に「攻撃編隊の総合的射程範囲と有効性を拡大」可能として、「空中戦の根本的変革」が狙い
●DARPAは、米空軍だけでなく空母艦載機を運用する米海軍も関心が高いと想定されている

本件を報じる2月20日米空軍協会web記事によれば、開発当初DARPAはLockheed Martin社とNorthrop Grumman社を競わせていたようですが、最終的には途中参加のGeneral Atomics社提案の「X-68A LongShot」が2022年に採用決定されたとのことです。

General Atomics社は契約以降これまでに、実物大のX-68A「風洞試験」と「機体のパラシュート回収システムと兵器投下システム試験」に成功しており、2026年にDARPAは約120億円を投入し、まずはF-15戦闘機を母機としたX-68Aの初期飛行試験で本体の基本性能と安定性を検証し、その後、Captive子弾ミサイルの単発発射から段階的に実戦的試験を進めることを目指している模様です。

なおDARPA発表は、「X-68A LongShot」の完成時期については触れていません
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中国軍は旧式のMig戦闘機を改良した無人デコイ戦闘機などで、米軍の空対空ミサイルを無駄打ちさせて「弾薬庫を空にさせる」ことを狙っており、また台湾有事に中国軍が投入可能な防空戦闘機の数は、西側のそれを遥かに上回ると想定されることから、以下過去記事にもあるように「安価な空対空兵器」や「空対空兵器を大量搭載可能なアセット」へのニーズが海空軍航空部隊にはあるのでしょう。

以下は「へそ曲がり」な「まんぐーす」の邪推ですが、空軍研究所AFRLではなく国防省DARPAが開発を担当し、実際の開発契約が戦闘機製造メーカー「ロッキード」や「NG」ではなく「General Atomics」に落ち着いているのは、戦闘機調達数の削減につながりかねない同兵器の開発に、戦闘機命派が牛耳る米空軍や、戦闘機を大きな収入源(NG社は次期艦載Fの最有力)とする企業が、「積極的でなかった」からだと考えられます。

空対空戦闘能力の補完強化へ
「安価な空対空ミサイル提案募集」→https://holylandtokyo.com/2025/11/27/13226/
「B-21基礎の空対空兵器搭載母機?」→https://holylandtokyo.com/2025/10/01/12909/

AIM-120(AMRAAM)と後継AIM-260 JATM開発
「AMRAAMの現在位置」→https://holylandtokyo.com/2024/10/23/6337/
「2026年製造中止のはずが大増産中」→https://holylandtokyo.com/2023/05/17/4556/
「超極秘開発のAIM-260 JATM」→https://holylandtokyo.com/2022/04/04/3088/

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