専門家も困惑:米空軍がCCA新機種YFQ-48A突然発表

NG社が数週間前にTalonとして発表したばかりの機体を
CCA第1弾(Increment 1)用か第2弾かも不明なまま発表
ほぼ同時に第2弾(Increment 2)用に不明な9社と契約とも発表

12月22日付米空軍協会web記事は、Northrop Grumman社(以下NG社)が自社開発中として数週間前に公表したばかりの無人機「Talon」に、米空軍が22日正式な機体名称「YFQ-48A」を付与し、無人ウイングマンCCAの「強力な候補機種となった:strong contender」だと発表と報じました。ご参考まで、米空軍規定では「Yはデモ機」「Fは戦闘機」「Qは無人機」を示す記号です

また同記事は、米空軍が12月初旬に、CCA(Collaborative Combat Aircraft)計画第2弾(Increment 2)の一環として、企業名非公開の9社と第2弾の「構想洗練:concept refinement」用の契約を結んだことを、米空軍報道官に再確認したとも報じています。

多くの人がクリスマス休暇中であろうこのタイミングでの発表に、軍事メディアも関係専門家も不意を突かれた形ですが、トランプ政権誕生後の新たな米空軍指導体制の下でCCA計画全体像が曖昧で、「第1弾(Increment 1)と第2弾の違いも不明確」な中で、また複数の企業が複数のCCA関連機体開発を2025年後半からアピールし始めている中で、5社の候補の中から2024年5月に選ばれた2機種(正式名称付与は2025年3月)「General Atomics Aeronautical Systems社のYFQ-42A(通称未定)」と「Anduril Industries社のYFQ-44A(通称Fury)」以外では初となる正式名称付与が、

なぜNG社の機体だけなのか、「YFQ-43A」や「45~47A」が存在するのか、なぜ「YFQ-48A」と命名されたかについても22日の米空軍発表が全く言及しておらず、更に「YFQ-48A」が「YFQ-42A」や「YFQ-44A」と同じ第1弾(Increment 1)用なのかも米空軍から発表がなく、更に言えば、9社と契約が発表された第2弾「構想洗練:concept refinement」用機体との関連にも言及がなく、軍事メディアや専門家の間でも「???」発表となっています

ちなみに「YFQ-48A」と名付けられたNG社自費開発の「Talon」は、第1弾(Increment 1)用の候補5社5機種の中の一つであったNG社提案を基礎に、「同様の性能の機体を、より低コストで、より迅速に、より大量に製造可能かを検証する自社プロジェクト」から生まれた機体で、具体的数値は非公開ながら、「設計を大幅に変更」し、「機体を約450kg軽量化、部品数を5割削減、製造時間も3割短縮」に成功したと公表されているようです

なお米空軍は22日の名称「YFQ-48A」発表でNG社に対し、「NG社のセミ自律飛行への継続投資に勇気づけられる」、「NG社のアプローチは、競争を促進し、業界の技術革新を推進し、最先端技術を迅速かつ大規模に提供する空軍戦略と一致している」と称賛しています。

話題は変って、CCA第2弾(Increment 2)計画の一環と米空軍が位置付けた、「構想洗練:concept refinement」のための企業名非公開の9社との契約に関し、22日付米空軍協会web記事は、以下の7社が「恐らく」含まれているであろうと紹介し、他に複数ドローンの開発実績があるBAEシステムズ社、空軍のETV(Enterprise Test Vehicle)計画候補だったLeidos社、そしてドローン迎撃機開発で実績を持つ大手軍需産業RTX社などが想定されるとしています

記事が推測の7社は・・・
Anduril : Increments 1用にYFQ-44A開発中
General Atomics : Increments 1用にYFQ-42A開発中
Northrop Grumman : Talon計画機でYFQ-48Aとの名称獲得。Increment 1 での候補5社の一つ
Boeing : 豪空軍とMQ-28 Ghost Batを開発し、最近米空軍の支援を得て空対空で目標撃墜試験に成功。 Increment 1 での候補5社の一つ

Lockheed Martin : 9月にVectisとのCCAのような機体を発表。Increment 1 での候補5社の一つ
Kratos : XQ-58A Valkyrieを開発し、米空軍がCCAの前身であるSkyborg計画の自律飛行ソフト試験に使用。会社としてIncrement 2参加意欲を以前から表明
Shield AI : 自律飛行ソフト開発で企業のスタートアップも、10月に垂直離着陸型で超音速飛行可能な無人機X-BAT コンセプトを発表し、既に各所に説明済と公表
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前政権時のCCA構想(~2024年末まで)
・第1弾は「空対空戦闘を目的とし追加ミサイル等を搭載」、「操縦者要求が強い出撃1回で発射可能兵器数増」、「敵に対処を迫る」、「セミ自律型戦闘機開発」
・第1弾は2024年10月にも1機種に絞り込み予定
・第2弾は細部目的未定ながら、「第1弾より精緻(で高価)」、「電子戦や地上攻撃等の任務遂行を期待」 2025年から26年に1機種に決定
・2029年までにまず100機導入

新政権後の構想?(2025年以降)
・25年5月:第2弾は「第1弾機体より恐らく低性能(low-end thing)に落ち着くだろうと考え始めている」
・以降は、上記記事のように、第1弾と第2弾の区別や、第1弾の決定時期や、全体の導入計画等々に関する関係者発言が一切なく、全て非公開で今日に至る

新政権が誕生以降、「作戦運用上の理由から非公開」等の事項が増えていますが、長期的な資金繰りや予算計画を煮詰めずに、新政権が「F-47」や「2029年初頭に運用開始のGolden Dome」のような超大物事業をまず打ち出したために、今になって「ない袖は振れない」状態に直面しているのでは・・・と勘繰っています

CCAの細部運用要領に関して言えば、依然として、「対中国正面のどこで組み立て、どこから離陸させるの?」、「空中給油に頼るの? 給油機に余裕ある?」、「ACE構想の分散運用に対応可能なの?」等々の根本的な疑問への答えを、未だに1mmも目にしたことがありません。

12月22日の米空軍YFQ-48A発表
https://www.af.mil/News/Article-Display/Article/4366136/air-force-designates-northrop-grummans-talon-prototype-as-yfq-48a/

新政権以後:専門家も?のCCA計画関連
「第1弾2機種が地上試験開始」→https://holylandtokyo.com/2025/05/09/11488/
「第2弾は安価低性能⁉」→https://holylandtokyo.com/2025/04/30/11421/

前政権での構想検討
「CCA補完の安価な」→https://holylandtokyo.com/2024/06/21/5988/
「2029年までにまず 100機」→https://holylandtokyo.com/2024/05/21/5863/
「2機種選定大手3社案が選考漏れ」→https://holylandtokyo.com/2024/05/17/5851/
「あと6年で実用化に試験準備」→https://holylandtokyo.com/2023/11/08/5153/

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