中佐指揮官のドローン開発改良普及チーム編成し自ら開発製造改造を
兵士「YouTube大学、Google大学」で学んでいる
師団兵士全員がドローンに習熟するよう教育訓練推進中
国防省資金でハワイの大学や地元企業と最新技術導入＆普及協力にも
12月1日付Military.com記事が、アジア太平洋陸軍の中核師団でフィリピンを主担当地域とする第25歩兵師団が、2025年初に師団用ドローン開発製造改良を担う十数名のチーム「Lightning Lab」を編成し、今春からのフィリピンでの各種演習等を通じ、同チームがYouTubeなどネット情報を頼りに師団任務と担当地域の特性に合わせたドローン製造改良に取り組む様子や、師団全体として「全兵士がドローンについて理解する必要がある」との認識の元、同Labの成果を師団全体に普及しつつ、現場からのフィードバックを迅速に同Labや師団内と共有して改良改善につなげ、国防省や米陸軍司令部主導の調達サイクルでは不可能な素早い改良サイクルを実現し、併せて国防省予算で地元ハワイの大学や企業にドローン製造投資を行い、部品調達や新技術発掘を試みる様子を紹介しています
中佐指揮官の十数名編成「Lightning Lab」
●2025年初にハワイの同師団Schofield Barracksで編成された、請負業者や国防省技術者を含まない、師団兵士だけの言わば素人チーム。師団の「イノベーション開発」部門で、新技術が師団兵士をどう支援できるかを考え、「師団任務に適したドローンを製造する」ことが目的
●構成員は、MQ-1や９等の大型ドローン運用経験者が含まれるものの、小型ドローン初心者がほとんどで、「YouTube大学、Google大学」で学びつつ、いきなり春からのフィリピンでの演習BalikatanやSalaknib等に放り込まれ、持ち込んだベース機体を基礎に、前線部隊からの意見を踏まえて現地で120台の改
良ドローンを製造提供
●演習後は現地でのフィードバックを踏まえ、例えば部品コスト僅か12ドルの片道攻撃ドローンを製造したりしており、イラクとシリアで政府軍を攻撃するイスラム過激派から、メキシコの麻薬カルテルまで、世界中に急速に普及するドローンの活用に挑んでいる
第25歩兵師団として
●同歩兵師団広報担当は、師団全体として「全兵士がドローンについて理解する必要がある」との認識の元、同Labの成果を師団全体に普及しつつ、現場からのフィードバックを迅速に同Labや師団内と共有する仕組みを設けていると説明し、
●師団として「ドローン組み立てや前線で修理する方法を学ぶコースを設けている」、「例えばコースには、スキマ時間の数時間で基本的なはんだ付けを体験する部隊要望に即したものが多い」と紹介
●師団外部の地域社会との連携強化も重視しており、例えば国防省予算18億円でハワイの大学に「高度製造プログラム施設」を開設して3Dプリンティング装置等を導入支援し、ハワイ地域産業界に高度な産業人材を育成し、先進的な最新ツールや技術の活用方法を普及することで、地元からの部品や新技術導入が可能な体制づくりに取り組んでいる
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米国が「米国製ドローンでの支配」との高い目標を掲げて取り組んでいる状況を、米陸軍のアジア太平洋前線部隊の事例からご紹介いたしました。
ただ記事は、中国深センに拠点を置き、世界のドローン市場の9割以上を占有するDJI（Da-Jiang Innovations）との企業の存在を同時に紹介し、DJI製品が「写真撮影や監視、農薬散布、荷物や郵便物の輸送など、全用途」をカバーし、「世界中の警察、軍隊、そしてテロ組織」で利用され、DJIを支える中国製部品（ソフト含む）が世界を支配している圧倒的な現状にも言及しています
中国経済の衰退が伝えられる中、西側世界が協力してこの中国企業による支配体制を何とかひっくり返したいものです
米国製ドローンによる支配に立ちはだかる壁
「欧州で試験しアジアへも展開へ」→https://holylandtokyo.com/2025/12/09/13330/
「陸軍基地内にドローン大量製造体制」→https://holylandtokyo.com/2025/11/12/13161/
「米空軍高官：ウクライナで試験せよ」→https://holylandtokyo.com/2025/09/09/12705/
「米がドローン支配狙うも」→https://holylandtokyo.com/2025/07128/12266/
