米国の新興自立型無人機&無人艇企業が大規模生産めざし
ヒュンダイ造船所の能力活用し年間数十隻の自立艦艇を
今や飛ぶ鳥を落とす勢いの自立型無人機&無人水中艇企業である米 Anduril社ですが、無人水中艇の製造実績はあるものの水上艦は製造した実績がないことから、米海軍を始めとする世界の海車が、自立型無人艦艇の大量導入に踏み切る将来に備え、年間数十隻の艦艇建造体制確立を目指して協力関係確立に踏み込んだとのことです。
提携発表に際しAnduril社幹部は、まず手始めに「dual-use autonomous surface vessel」の最初のプロトタイプを韓国で建造し、本格建造はAnduril社の最初の米国内拠点となるシアトルのPuget Sound 造船所で計画していると発表していますが、
より大きな目標は、米海軍が2025年初めに業界に提案を求め、現在も複数の提案を評価中のMASC 計画(Modular Attack Surace Craft:従来の大型・中型無人水上艦ブログラムを統合する構想)を構成する3つのプロトタイプ(標準 MASC、大容量 MASC、単一ペイロードMASC)の本格調達に備えた建造インフラ確保にあるとのことです
この点に関し Anduril社幹部は・・・
●Anduril社は自律型軍艦を建造したことや、大規模な納入実績もないため、HD Hyundai のような大型艦艇納入実績豊富で、世界最大規模かつ優良な造船会社と提携することとした。同社との提携により、設計、開発、そして最終的には大規模な納入まで、米海軍のニーズを満たすだけでなく、それ以上の多くのものを提供できると確信している
●Anduril 社が解決を目指すのは規模だ。年間数十隻の無人艦艇建造を目指すが、これは現生産方式では実現不可能な桁違いの規模だ。提携締結に向け、極めて慎重に「素材の選定」、「従業員の
配置」等々の側面から検討を重ね、サプライチェーンや先進的な製造手法については、並行して他業界からも多くを学んだ
●米海軍がどの方向に進むのか、関心をもって楽しみに見ているが、米国だけでなく世界的な需要は非常に大きい。自立型無人艦艇は比較的低コストであり、多くの同盟国やパートナー国からも大きな関心を集めるだろう
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DefenseOne 記事のニュアンスからすると、「年間数十隻の自律型艦艇の建造」は最終的にシアトルの造船所で行うように取れるのですが、韓国内の HD Hyundai 重工業造船施設も活用するよ
うにも感じます(例えば、So we’re cutting steel in the U.S. We are cutting steel in Korea already との記事表現)
いずれにしても、米国造船業界の実質的な崩壊状態を受け、日本の造船業界にもこの手の話は来ているでしょうから、日本としても乗り遅れないようにしたいものです。
Anduril社関連の記事
「CCA候補が地上試験開始」→https://holylandtokyo.com/2025/05/09/11488/
「国防省や米軍に不満」→https://holylandtokyo.com/2025/02/18/10732/
「自律AI搭載無人機の限界を」→https://holylandtokyo.com/2024/11/01/6431/
「海兵隊基地の無人機防衛も」→https://holylandtokyo.com/2025/03/31/10987/
「ロケットモーターを3DPで大量生産へ」→https://holylandtokyo.com/2024/11/21/6492/


11月13日付DefenseOne記事は、米空軍が開発中の自立型無人ウイングマン機 CCAや米海軍用の無人水中艇開発の先頭に立つ米国の新興企業 Anduril社が、年間数十隻規模の自律型無人艦艇建造を目指し、世界最大級の造船会社であるHD Hyundai 重工業とパートナシップ協定締結を発表したと報じています。
