欧州米軍司令官(兼NATO最高司令官)が米企業に呼びかけ
あまりにも過酷な環境への挑戦者が少ない現状に危機感
「ウクライナが将来戦場を考える絶好な場所だ」
欧州各国が軍事予算を増しているチャンスを逃すな・・とも
Grynkewich司令官は、「ウクライナの過酷な環境に挑む米国企業が少なすぎる」と現状を嘆き、「挑戦した数少ない(米国)企業は、多くのことを学びチャンスをつかんだか、あるいは環境の厳しさに米国へ逃げ帰ったかのどりらかだ。しかしウクライナの現状が(アジア太平洋地域を含む)将来我々が直面する戦場環境になるだろう」と、現実に向き合って将来に備えるよう参加企業に訴えています。
同時に、ウクライナ関連事業の魅力についても同大将は説明し、欧州NATO同盟国が国防予算増加を約束し、その増額部分の多くがウクライナ支援に向けられているが、ウクライナ側からの提出された支援要求を精査して欧米諸国と結びつける合同作業部会を欧州米軍とNATOが最近設置し、1カ月間余りの取り組みで既に3000億円以上の欧州同盟国支出が約束され、その采配を合同作業部会を通じてNATO軍最高司令官として行っている状況を語っています。
更に同司令官は、作業部会で精査された要求リスト「PURL:NATO Prioritised Ukraine Requirements List」には、PAC-3防空ミサイルのように米国企業しか供給できないものも多く含まれている一方で、先進的なドローン等々への要求も強いと語り、欧州企業がこの国防予算増加分のパイ獲得のために積極的に動くと同時に、将来の戦場環境に必要な装備品開発に向け、ウクライナ戦闘員の証言や各種装備品へのフィードバック収集を積極的に行っていると、米企業関係者に危機感を持つよう示唆した模様です。
そしてGrynkewich大将は具体的に、ウクライナの厳しい戦場環境やウクライナ軍との連携を巧みに行っている欧州企業数十社の状況に触れる機会として、また国防費を増額している欧州NATO諸国との接点を求めるチャンスとして、9月にウクライナで開催される「Defense Tech Valley conference」への参加を呼び掛けています
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米軍の主要幹部が軍需産業関係者に、実戦環境の厳しさを説き、現実を学べ、と働きかける姿は、日本ではあまり見られない光景ですが、最先端の米国新興企業トップも、同じような内容を上記講演を報じているDefenseOneインタビューで7月下旬に語っています。
以下は7月28日付ブログ記事からの引用です
ウクライナと協力している米国ドローン企業「Shield AI」創業者 Brandon Tseng氏(元米海軍SEALS兵士)は、「米国は年に2~3回の電子戦環境試験を考えているようだが、この回数増加こそが改善すべき点だ」、「ウクライナで試験していないなら、その装備は十分ではない。欧州の軍指導者も証言している。多くの企業がウクライナに進出したが、ほとんど撤退したのではないか。あの電子戦環境は非常に過酷だ」と語った
ウクライナで試験していないなら、その装備は不十分だ!
「米がドローン支配狙うも」→https://holylandtokyo.com/2025/07/28/12266/

