ロッキードCEOが再び6世代技術でのF-35改修を語る

全産業分野の主要米国企業トップが集まる恒例会議で
F-35の無人化オプションも視野と言及
F-35改修は2-3年で初飛行可能と自信も、段階的にと慎重さも

5月28日、NYで開催の「Bernstein Strategic Decisions Conference」との全産業分野の主要米国企業トップ150名以上が集まる毎年恒例の投資家への情報発信目的の集まりで、次世代制空機NGADの機種選定でボーイング製の「F-47戦闘機」に敗れたロッキード社CEOのJim Taiclet氏が、

同社が4月22日に発表した、「米空軍によるボーイング案採用決定には反論せず、NGAD用に開発した第6世代機技術をF-35やF-22に投入し、NGADの8割の性能を5割のコストで実現する改修を追求して売り込んでいく」との方針について改めて補足説明を行い、改修型F-35は2-3年で初飛行可能で、無人化オプションも視野にあると発言しました

再確認ですが、4月22日に言及のF-35等に投入予定の第6世代技術
●赤外線による敵目標の遠方探知能力(F-22改修とNGADに採用済:long-range passive infrared target detection and tracking)
●ステルス技術(低反射素材、機体形状技術、探知回避技術)
●「探知技術tracking technologies」と「長射程兵器」

そして5月28日に新たに言及した事項は・・・
●我社は、2、3年以内にF-35能力を「大幅に向上」させることが可能だろう。その取り組みには、赤外線やレーダー信号を回避するF-35のステルス塗装改良や、特にエンジンの吸気口や排気口などの形状を微調整してステルス性を向上させる手法が含まれる可能性がある
●また、『5世代+』のF-35には、現在より優れた電子戦機能、ネットワーク機能、自律性が搭載されるので、これにより同機を「パイロット不要:pilot-optional」にすることも可能だろう

●ただ、これら追加機能の一部は2、3年以内のF-35への導入と初飛行が可能となる可能性があるが、既に大量に発注を受けている機体製造フローを中断せず、一度に新機器や新兵器や新ソフト導入改修を(並行して)行うことは難しく、新技術導入は段階的に行う必要がある
●また『5世代+』F-35等も、あくまで「family of systems」の1個の構成要素として機能するのであり、他の構成要素とどのように相互作用して相互作用できるかにより、如何に航空優勢や制空権確保に貢献するかが定まる
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上記の発言の後、同CEOは現在「少し予定より遅れている」TR3とも呼ばれるF-35の「目の前の改修アップグレード」に関し、改良型コアプロセッサ、メモリ容量拡大、新型表示装置等のハード開発は終了し、TR3ソフトウェアの統合も完了しているが、機体周囲に6本新アンテナを配置する等のハードとソフト統合には難しい側面があり、それが遅れの原因だと説明しています。

まぁ・・・夢のある将来の話を「枕」に持ってきて、今現在、2年近く遅れている「目の前の改修」のトラブルと遅延のお詫び&説明部分を、何とか切り抜けたかったのでしょう・・・。多分

NGADの敗者ロッキードは6世代技術をF-35に投入改修へ
(F-47の8割の性能を、F-47の5割のコストで実現と豪語)
「F-47決定に反論せずF-35改修追求」→https://holylandtokyo.com/2025/04/25/11392/

F-47関連の記事
「海軍F/A-XXや同盟国との関係」→https://holylandtokyo.com/2025/04/22/11201/
「F-47は優先度低く予算枠外だった」→https://holylandtokyo.com/2025/04/03/11185/
「ボーイング製 F-47に決定」→https://holylandtokyo.com/2025/03/24/11099/

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