4世代機中国製J-10Cが中国製指揮統制システムを駆使し仏製最新Rafale撃墜か?
射程80nmの中国製PL-15空対空ミサイル輸出版が使用されたか?
中国の軍事産業雑誌が中国製装備の連携成果とアピール
パキスタン軍が導入している中国製戦闘機J-10Cと中国製地上レーダーと中国製空飛ぶレーダー(早期警戒管制機)の巧みな連携プレーによる、中国製の最新鋭長射程空対空ミサイル能力を最大限に利用した「遠方要撃」の可能性を指摘して話題となっています。
米空軍協会のミッチェル研究所のMichael Dahm上級研究員は、パキスタン軍が戦果を発表し、インド軍がパキスタン軍発表を認めていない5月7日の空中戦に関し、一般西側メディアが4世代機であるJ-10Cによる4.5世代機である最新型仏製Rafale戦闘機の撃墜にばかり注目する中で、
5月12日付の中国軍需産業誌「China Space News」の記事を紹介しつつ、真に注目すべきは、「4世代機J-10C」と「4.5世代機仏製Rafale」の単なる空中戦闘ではなく、戦闘機と空対空ミサイルと地上レーダーと早期警戒管制機を全て中国製でそろえたパキスタンの「Kill Chain」が機能した可能性が高いことだと指摘しています
Dahm研究員は、「4世代機J-10C」が機上レーダーで捕捉していないRafale戦闘機に対し、地上レーダーのRafale捕捉情報を基に中国製PL-15空対空ミサイル輸出版を発射し、PL-15は最終誘導段階で中国製早期警戒管制機のデータリンク情報に導かれてRafale戦闘機に命中した、との中国業界誌「China Space News」による「視界外の長距離射撃:long-range shot, beyond visual range」だったとの分析を紹介しつつ、
事案の詳細は未だ不明な部分が多いが、決して安易に「4世代機J-10C」VS「4.5世代機仏製Rafale」の単一システム比較に陥ることなく、目標発見から目標の継続追尾、識別、要撃判断、兵器選択、兵器誘導から目標撃破に至るプロセス全体で、地上&空中レーダー、指揮統制システム、戦闘機と搭載兵器、各システムを連接するネットワーク全体が、パキスタン軍でどのように機能したかを検証することが重要だと指摘しています
また同研究員は推測の域を出ないと断りつつ、インド軍側の「Kill Chain」を構成する各パーツが、複数の西側諸国、イスラエル、ロシア、インド製装備の「寄せ集め」になっており、システムの統合が遥かに困難になっている可能性を指摘し、5月7日の戦闘でいかに機能したかも興味深いと語っています
なお本空中戦闘に関する物的証拠としては、パキスタン側が撃墜した主張するRafale戦闘機の地上で発見された残骸のみで、公開された映像に映ったRafale戦闘機らしき機体と同機が搭載していたとされる赤外線空対空ミサイルの残骸がその物的証拠だとのことです
//////////////////////////////////////////////
信頼できる確かな情報がない、かつ今後も追加情報が出てくる可能性が高いとは言えないパキスタンとインドのカシミール地域における空中戦闘事案ですが、決して安易に「4世代機J-10C」VS「4.5世代機仏製Rafale」の単一システムによる空中戦としてとらえることなく、
地上&空中の様々なシステムと人的指揮統制が、ネットワークで組み合わされた結果として生み出された戦果である、との認識を新たにするためご紹介いたしました。
中国軍事と人事関連記事200本
→https://holylandtokyo.com/category/%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e8%a6%81%e4%ba%ba%e3%83%bb%e8%bb%8d%e4%ba%8b/

