比が20年ぶり戦闘機導入へ:米が20機の最新F-16を

対中国で2005年のF-5退役後初めての戦闘機導入へ
米国防長官の訪問で米比関係強化に合わせ
比でも対「Communist China’s aggression」との言葉を

日本訪問に続き、3月28日にフィリピンを訪問したヘグゼス国防長官が、マルコスJr比大統領やTeodoro比国防相と米比同盟強化を通じた「抑止力の再構築:re-establish deterrence」により、「中国共産党による地域侵略:in the face of Communist China’s aggression in the region」に対抗することで合意したタイミングに合わせ、

米国務省が、フィリピンへの最新型F-16C/D戦闘機20機(Block 70/72)と、同機に搭載する最新型空対空ミサイル(AMRAAMとAIM-9X Block II)や精密誘導爆弾(JDAM)、AN/AAQ-33精密照準用ポッド等々を含む、総額約8300億円パッケージの売却を承認すると明らかにしました

フィリピン空軍は、2005年にF-5軽戦闘機を用途廃止してから戦闘機を保有しておらず、2021年に一度は米国務省が同型F-16の12機売却承認(約3700億円)を出していましたが、フィリピン政府として約半分の1700億円程度しか準備できなかったため実現には至りませんでした

なおマルコスJr大統領は2024年に、新たな国防強化計画「Horizon 3」を決定し、その中で戦闘機40機を導入すると示していますが、今回の20機のF-16以外にどのような選択を行うかは明らかになっていないとのことです
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20年以上戦闘機を保有していなかったフィリピンが、再軍備の柱として戦闘機を導入することは中国に対し明確なメッセージを発することとなり、マルコスJr大統領就任以降の米比同盟強化の動きがさらに加速している状況に力強さを感じます

なお、冒頭でご紹介したヘグゼス国防長官の言葉、「抑止力の再構築:re-establish deterrence」や「中国共産党による地域侵略:in the face of Communist China’s aggression in the region」は、日本訪問時の中谷防衛相との会談後の記者会見でも、TVカメラに向かって明確に発せられた言葉ですが、

ただ、この記者会見を「映像+発言音声付き」で報じた夜7時のNHKニュースは、ヘグゼス国防長官の用いた誰もが聞き取り可能な「Communist China’s aggression」との明確な英語発言を画面字幕で一切触れず、「中国」との言葉さえも字幕に使用しませんでした。

中国勢力(韓国勢力も)の日本メディアへの侵略(情報戦の最前線)は、既にこのレベルで進んでおり、我々日本人は既に情報戦対応で「後手」に回っていることを肝に銘じるべきです。石破政権誕生時点でその恐ろしさを感じ始めた方も多いとは思いますが・・・

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「米比がGSOMIA締結」→https://holylandtokyo.com/2024/12/25/6560/
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