F-35の倍以上の価格の戦闘機を購入する国はない
F/A-XXにはF-47用に開発の技術を共有
3月31日付米空軍協会 web 記事が掲載した、政権交代で退任した Kendall前空軍長官とHunter 前空軍調達次官のポッドキャスト番組発言をご紹介し、4月3日ブログ記事では「F-47 は予算優先度が低かった」発言をご紹介しましたが、本日は米海軍が空軍計画とは独立して運定している次期艦載機F/A-XX に関する部分と、トランプ大統領がF-47 に関し「売るにしても同盟国にはToned-down 版しか売らない」と発言した件、更にF-47やF/A-XX 開発の起源に関する、前政権の空軍省幹部2名の発言をご紹介します米海軍の次期艦載機F/A-XXに関し、
（米海軍F/A-XXの機種選定は現在、数か月後の勝者発表を前に、ロッキード提案が敗退し、Northrop Grumman 社とボーイング社の提案が選定の最終段階にある。なお、NG 社は米空軍選定では最終選定に残れなかった）
●米海軍独自のF/A-XX にも、F-47 用に開発された技術が共有されている。
●F-35 のような共同開発プログラムではないが、アーキテクチャレベルで海軍計画との互換性がある。F-47は海軍F/A-XX とシームレスに統合できる
Trump大統領の「同盟国にはToned-down 版」発言に関し、
●（主にケンドール氏）海外での販売は成立しそうもないと思う。もし同盟国などから F-47購入希望が出たなら、その（F-35の倍以上の）単価からして、私は非常に驚くだろう。F-47は多機能を機体に導入することに重点が置かれ、故に価格が非常に高くなっている
●また、いくつかの同盟国が独自の第6世代戦闘機の開発を進めている中で、性能が抑制されたF-47 を同盟国は欲しがるだろうか。
F-47やF/A-XX の起源は
●オバマ政権時に技術担当国防次官だった私（Kendall 氏）が、第6世代戦術航空機の技術成熱を目的として、2015年に「Aerospace lnnovation Initiative」立ち上げた。その結果として、私が空軍長官として国防省に戻った 2020年には、「X-plain」が製造されていた
●この「Initiative」では、米海軍、空車、DARPAが均等負担し、5年間で約 1500 億円を投入して技術成熟研究を行い「X-plain」として形となり、その成功成果がF-47やF/A-XX につながっている
●注意が必要なのは、常に有人戦闘機が「一連の装備品ファミリーの一部」として計画されており、F-47もF/A-XXも全体の中の1つの要素に過ぎない点である。その他のファミリーには、宇宙配備センサー、機外通信リンク、新型兵器、CCA（無人ウイングマン機）などが含まれ、全体をバランスよく整備していく必要がある
●また今後少なくとも数年間は開発や戦力化準備期間が続く F-47を当てにしていては、競争力を維持できない。F-35ブロック 4やCCA は絶対に継続する必要がある
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全くの「げす」の勘繰りですが、数か月以内に発表される米海軍F/A-XXの運定は、（関係者は否定しているものの）企業への仕事の分散の観点から Northrop Grumman 社になるのでは・・・と邪推しております
Northrop Grumman 社は、B-21爆撃機開発で絶好調ながら、次期ICBM 開発で全空軍予算の丸2年分の費用超過状態に陥っている企業ですが・・・。
「同盟国には Toned-down 版」発言に関しては、少なくとも日本が手を挙げるようなことがあれば、関係者に「脳の精密検査」を受けさせるべきだと思います
退任直後の Kendall 氏の爆弾発言
「F-47は優先度低く予算外だった」→https://holylandtokyo.com/2025/04/03/11185/
突然いきなりの発表でした・・・
「次期戦闘機がボーイング製 F-47に」→https://holylandtokyo.com/2025/03/24/11099/
ずさんすぎる計画再承認
「全問題先送りの次期ICBM」→https://holylandtokyo.com/2024/07/10/6109/
