28日、米国防省主催のブロガーイベントで米海軍のクロフォード歴史研究員(Michael Crawford, a senior Navy historian)が、米国独立当時の海戦史から学ぶ海賊対処、について語りました。
折しも、26日には米海軍の艦載ヘリがソマリア沖で海賊から射撃を受ける事案が発生しており、注目を浴びました。なおヘリコプターに被害はありませんでしたが、海賊側は4月に乗っ取った台湾国籍の船を母船にして射撃してきたようで、油断がなりません。現在17カ国から約30隻の艦船が海賊ミッションに参加中らしいです。
同研究員によれば、
●一般に海賊といわれているものの起源は、記録上15世紀に始まり、当時は海で略奪等の被害にあった人たちが君主に願い出て「復讐・報復」の許可証をもらってやっていたとのこと。復讐といっても、相手を捕らえたら港まで連れてきて、きちんと裁きを受けさせたそうです。しかしその後、君主たちが武装した民間船の有効性に気づき、戦争にも使うようになったとのこと。
●特に米独立後の混乱期に発生した1812年の英米戦争で、米側のスクーナー船に乗った私略船(敵船略奪許可を得た民有武装船)が重要な役割を果たす。米の私略船は、英軍艦船に護衛された商船団襲撃に際し、英軍艦船の行動を快速スクーナーで妨害し、その間に他の私略船で商船を襲っていた。
●一方で、英側がボルチモアを攻撃して英米戦争を始めたのは、これら私略船の根拠地がボルチモアであったためともいわれている。使用されたスクーナー型の船は、16世紀にオランダが起源ともいわれるが、独立当時の米国でもっとも発展し、1800年代前半には約4000隻のスクーナーが五大湖や沿岸水路部で使用されていた模様
●同研究員は戦術上の海賊対策の歴史的教訓として、まず海賊対処には喫水の浅い小型船を使用し、海賊を沿岸まで追跡できることが重要であり、また海賊の港湾施設を襲撃して捕獲することが、公海上で海賊行為を止めさせるより容易である、と述べました。
何だ・・・米国も海賊行為のベテランだったんですね・・まあ、日本にも秋山真之が熱心に研究した瀬戸内の村上水軍などがありましたけど・・村上水軍は14世紀から記録があるがな・・教えてやらねば!
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