QDRと核・BMD・宇宙態勢の見直し

lrs_090819-F-7543R-021.jpg25日、カートライト統合参謀本部副議長がアラバマ州ハンツビルで開催された会議での講演で、現在進行中のQDR、核態勢、BMD態勢、宇宙態勢の各見直しに関し、検討方針の一部を語りました。同副議長は米軍の各種計画・予算をとりまとめる責任者であることから、重みがあります。
全ての見直しに共通する観点
3つのキーワード、関連性relevance、適応性adaptability、経費適切性affordabilityを第一の考慮事項として扱う。「完璧」と「事足りる」のバランスを取ることが極めて重要である。我々が今戦っている戦争の実情と将来の戦争のありそうな様相に関連した道具を調達することが重要である。また戦略に適応しているかも重要。過去8年間の戦いから学べば、どこに向かっているかは敵が語っている。そして3つ目に経費適切性が極めて重要な点である。
QDR関連
QDRは戦力組成、調達計画、長期予算計画のアウトラインを示すものであるが、ゲーツ国防長官が前政権から引き続いて職務を実施されていることが、困難な作業の中にあって有利に働いている。同長官の決断が、2つの戦争と世界的な経済危機の中にあっても、QDR策定作業にありがちな辛辣で激しい言葉のやりとりを削減している。
核及びBMD態勢見直し
過去50年間継続してきたいわゆる単純な構造の核抑止(one-size-fits-all)アプローチが、今後50年間機能するかに疑問が呈されている。北朝鮮やイラン及び非国家主体等の新たな脅威出現の中でも、米国は抑止の傘の下にある国々に対し、自らが核兵器を持つ必要性を感じさせないような信頼に足る傘を提供していかなければならない。
米国は同盟国等との関係を別の視点から捉え、関係国とつながりを強めて大量破壊兵器によらない抑止態勢を構築し、核と弾道ミサイルによらない信頼ある代替手段であることを(同盟国等に)確信させなければならない。
核態勢見直しとBMD態勢見直しはシナジー効果を発揮しなければならない。どのように組み合わせるか?それは単純な構造(one-size-fits-all)アプローチではない。
宇宙態勢見直し
3つのキーワードとバランス感覚がここでも重要。現状では、敵にコストを押しつけられ、完璧で高価で開発に長期間必要なシステムを求めてはいないか?。ミサイル防衛では適切な選択をしたではないか。(おそらくエアボーンレーザー計画見直しや宇宙配備システム等を中断した件が念頭にあると思料される)
3月はじめにワシントンDCで同副議長の話を聞く機会がありましたが、一度の多くに見直し作業を行うことの苦悩がありありでしたが、ある程度方向性が固まって布教とガス抜きに入ったんでしょうか・・・・。今回のQDR策定では地域軍司令官の意見を頻繁に細かく確認して「真の要求レベル」の把握に努めているようですから、見えてきたんでしょうか・・

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