米空軍のジレンマ(JDWより)

JDW.jpg9月2日付の軍事誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーは米空軍の戦略転換を巡る苦悩を6ページにわたって特集しています。勝手にまとめてみると・・・
苦悩の原点
予算がない中で、直面する対テロや不正規戦への対応を迫られ、これまで数十年にわたって積み上げてきた通常戦力とのバランスをどうするか?将来の脅威をどう見積もるか?
ゲーツ国防長官の主張
長年にわたって積み上げてきた通常戦への備えがあるので、限られた予算と現実の2戦争正面を考慮し、これまで日陰に追いやられてきた不正規戦への対応にもバランスを考え重点を置くべき。軍幹部は自分のやりたい戦争に備える傾向があり、不正規戦への備えはおろそかになりがち。
前空軍長官Wynne氏の懸念
通常戦力での米国の優位は年々低下しており、これを犠牲にしての不正規戦重視は中長期的に問題
現空軍長官の見方
不正規戦等のLow-Endの脅威だけでなく、核拡散による新たな脅威、サイバー対処、宇宙分野などのHigh-Endの脅威にまで対応しなければならない。予算的制約の中で通常戦力のあり方に変更を加えなければならない。
空軍内の主流派(戦闘機擁護派)
戦闘機はHigh-Endの脅威だけでなく、不正規戦などLow-Endの脅威にも対応可能であり、最も柔軟性のある兵器選択である。しかし、不正規戦を重視したISR機、無人機、軽攻撃機はHigh-Endの脅威に対応できない。
空軍批判派
予算縮減の中、選択肢は限られている。軍全体を考えろ。空軍幹部が想定するような事態は当面考えられないし、F22などアフガニスタンで役に立たない。また、我々が支援・教育訓練しなければならない対テロ・破綻国家の正面に立つ友好国は高度な装備品は持たない。
30代から40代前半の働き盛りの時期に、空軍が主役で花形だった湾岸戦争やイラク戦争序盤を経験した戦闘機パイロットが主流の米空軍は、状況の変化に対応する能力はない
●ゲーツ長官がその主張を曲げない限り、ゲーツ長官と空軍との戦いは長い戦いとなろう
どうしてもべらぼうに高い装備品、軍需産業との癒着、ロビイストの暗躍とかがちらつくんですね・・・F22の件でも労働者の失業問題ばかりが正面に出て、機体の必要性はあんまり話題にならなかったんですね・・・ワシントンでは・・・

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