ゲーツ長官が中国軍幹部と1時間以上

xu2.jpg>「もう、再開、中止の繰り返しは止めにしましょう」とゲーツ長官が先方に語りかけ、モレル報道官は会談の模様を「1時間以上にわたり」そして「good and productive」だったと表現しました。
26日、中国共産党中央軍事委員会副主席の徐才厚(Gen. Xu Caihou)が中国国防高官として久々に米国訪問し、ゲーツ長官とカウンターパートとして会談しました。
米国は徐才厚をChina’s second-ranking military officerとしており、ここでのトップは党軍事委員会主席の胡錦濤(国家主席)でしょうからゲーツ長官と釣り合うのでしょう。写真上のような並んでの儀仗写真が出るのをHolyland的には初めて見ました。
xu1.jpg会談に関するプレスリリースは、軍事交流の「最初の一歩」みたいな内容で、何を今更・・・といった印象です。
前言で、相互理解と信頼醸成の必要性への合意、イラン・北朝鮮、アフガニスタンとパキスタン問題について互いに協力することへの合意が唱われています。そして各論として・・・
●高官相互訪問の促進:ゲーツ長官は来年早々に訪中 マレン統合参謀本部議長は中国カウンターパートが訪米した後に訪中
●人道・災害対処での協力推進:海上での共同捜索救難訓練に合意
●医療協力:特にパンデミック対処部門、専門家の交流促進
●各軍種レベルでの交流促進、陸軍同士
●中下級士官の交流強化(中国側からの提案の模様)
●軍間のスポーツ・文化交流の促進
●現行の外交・協議メカニズムの再活性化:両国近海での海上行動安全を改善する。本年12月の国防政策協議(Defense Policy Coordination Talks)と海上軍事協議(Military Maritime Consultative Agreement discussions)から実施する。
091026_gen_xu_aud.jpg会談に先立ち、26日午前中に徐才厚将軍はCSISで講演を行っており、そこでは・・
●中国は他国を挑発したり脅かしたりはしない。勿論米国に対しても。
●オバマ大統領就任以来、中米関係は円滑に変革している
●明確にしておきたいのであるが、中国の限定的な兵器や装備は国家安全保障の最低限の要求を満たすものである。中国は、覇権、軍備拡張、軍備競争を決して追求しない。
●米国との軍事交流を再活性化したい、しかし最近の米海軍艦艇による中国経済水域での活動は主権の侵害だ。●中国の軍事費はGDPの1.4%だが、米国のそれは4.8%である。  などなど・・・中国は広大な発展途上国だから多少のごたごたはあるが、平和を追求する歴史ある文明国だ、とこれまでの主張を延々と繰り返しました。
冒頭、CSISのハレム所長が「中国は偉大な文明国でライジングパワーだ。一方米国は偉大なパワーだがライジング文明国だ」とのジョークで中国を持ち上げています。来月のオバマ大統領の訪中に向け、みんな気を遣ってるみたいです。徐才厚将軍は今後、米海軍大学を皮切りに、戦略軍司令部、ラスベガス郊外のネリス空軍基地、サンディエゴの海軍航空基地、そしてハワイの太平洋軍司令部を訪問します。
(http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-15)もご参考に。

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