写真は、10月2日にコペンハーゲンに駐機中の大統領専用機の機内で撮影されたものです(米国防省HPより)。 大統領の向かいに座るのはアフガニスタンでの戦闘を指揮するマクリスタル司令官です。10月2日といえば五輪開催地が決定した日。オバマ大統領は招致演説のため、睡眠時間を削って現地に乗り込んだのですが、飛行機の中では「大統領として最も重要な決断のひとつ」になるであろう今後のアフガン戦略について話し合われていたのでした・・・。
話は写真とは関係ありません・・・
5日、ゲーツ国防長官は陸軍協会で演説し、陸軍の奮闘を讃え、国防省の施策を説明し、さらなる進歩と困難への挑戦を訴えました。その中では「大統領として最も重要な決断のひとつ」となるであろうアフガン戦略の策定を全力で支え、その決断を粛々と全力で実行しよう、と呼びかけました。
演説の中からピックアップして・・・(空軍協会での政策色の強いものと異なり、深刻でした・・・)
●死傷者の原因一番のIED(仕掛爆弾や路肩爆弾)対策が喫緊の課題であり、このためISR能力強化に全力。や無人機やMC12を増強する。また人員防護能力を強化した装甲車両(M-ATVs)の第一陣を契約から僅か3ヶ月で現地に送付した。
●9000億円の家族支援予算案を議会に送った。配偶者とのミーティングを重要視し、その意見を施策に反映した。自殺防止に陸軍参謀総長と共に全力で取り組んでいる。
●兵士の採用は力強いものがある。54.7万人のほか、一時的な増員として2.2万人を採用し、部隊に配属する。
●陸軍はこの2年間で大きく変貌を遂げた。8年前、もう一度湾岸戦争を戦うかのよう準備されていた陸軍は、柔軟で機動性があり自立的で適応力のある陸軍になった。プラットフォームでなくネットワークが重要であることに陸軍は気づいたのだ。
●AAB(Advise and Assist Brigade:助言協力旅団)を通常旅団から数ヶ月で作り上げたことにも感銘を受けた。外国部隊に助言し訓練や装備を提供する重要な任務が、評価や昇進においてもっと重要視されるべきである。
●不正規戦重視が陸軍の大規模通常戦闘力を低下させるのでは、との懸念は現実を反映していない。例えば、昨年イラクのサドルシティーで作戦のような、空軍と陸軍が緊密に連携し、多数の分散する部隊が都市環境で複雑に行動した作戦が行えている。不正規戦と通常戦を明確に区別することは時代遅れである。未来はより複雑である。
●兵士であり、外交官であり、市長であり、エンジニアであり、経済学者もでなければならない現場で活躍するの若い幹部やNCOの能力を評価し、将来官僚機構の中でもその力を発揮させなくてはならない。
主張はフォーリンアフェアーズ2009年1・2月号の論文「A Balanced Strategy」から一貫しています。ぶれないね・・・この人。
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