12日、リン国防副長官はIT専門家の会議で講演し、「IT分野はQDRの焦点である」と語り、最新のテクノロジーをいかに迅速に国防省の装備体系に反映させるかが課題である、との認識を示しました。
副長官は「国防省では、ある事業に予算が付いてから現場で運用可能になるまで平均して6年半掛かっている」と嘆き、自嘲的に「iPhoneは、国防省のIT事業に予算配分の決定がなされる時間内で製品化されている」と例えました。更に装備化に長期間掛かることから「5世代前の技術で運用している」と状況を吐露しています。
リン副長官はゲーツ長官の言葉を引用し「将来の紛争は、正規・不正規、通常・非通常、ハイ・ローエンドといった区別の古いパラダイムで捕らえることは出来ない」と説明し、あらゆる手段が混合して使用される「ハイブリッドな戦い」が将来戦の様相であると述べました。
そしてハイブリッドな戦いを制するために、兵士により情報を与え、敵を倒す装備を与えなければならない、と述べました。
「今、アフガンでは兵士はPCを持って基地を出発し、ディスプレイ上で様々な情報にアクセスできる」、「将来は(PCが)手のひらに収まるデバイスになるかもしれない」と期待を寄せつつも、「イラクやアフガン戦争が開始当初はそのようなものはなかった。それは現場部隊が苦労の中から編み出したもので、これまでの国防省の鈍重な調達方式を拒絶した者が生み出した」と語り、研究室の技術者の奮起を促すのみならず、「国防省全体にイノベーションを根付かせる必要」を説きました。
お役所のIT事業が「事業仕分け」対象に入っているとおり、日本でも課題山積です・・・。
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