ゲーツ長官がパキスタンの信頼獲得に汗

21日、インド訪問に引き続きパキスタンを訪問したゲーツ国防長官は、一日になんと、大統領、首相、国防相、外相、統合参謀本部議長、陸軍司令官、軍情報機関長官との会談をそれぞれ個別に行い、その後でパキスタン国営TVの取材を受けました。更に地元の英字紙に寄稿もしています。
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この精力的な動きの目的はただ一つ、「負の信頼関係」を払拭し、「将来に向けての信頼関係」を築くことにあります。昨年10月のクリントン国務長官の訪問が、少しづつパキスタン指導者や国民の米国への見方を回復させている状況を受けての更なるフォローアップを目指したものでした。
格下である軍人多数と会談するのは、「米陸軍大学への留学経験のあるキラニ陸軍司令官以外に、米軍人と個人的関係を築いた幹部がおらず、交流の基礎がない」ことを受け、「制服幹部と直接対話することで、彼らからの厳しい質問や指摘に直接答えたい」とのゲーツ長官の意向だそうです。「軍対軍関係のロストジェネレーション」を埋めるための試みです。
その他パキスタン国営TVとのインタビューから・・・
gatespkTV.jpg脅威の共有
インド、アフガン、パキスタン、そして南アジアと米国は脅威を共有している。アルカイダの傘の下にあるテロのシンジケートである。各地のタリバンやタイバ分子はどれが良くてどれが悪いと言えるものではない。
●パキスタンとインド関係
両国は共通の脅威のために世界と協力する必要がある。また、インドはアフガニスタンで経済的開発計画を支援するのみで、パキスタンは何ら恐れる必要はない。
●パキスタン軍の支援
shadowq7.jpgパキスタンが過激派対策を強化していることに敬意を表する。パキスタン軍は全軍の15%をアフガン国境に配置して重要な任務に取り組んでおり、過去3年間に2千人もの犠牲者を出す懸命の取り組みを続けている。米国はパキスタン軍を支援するため、12機の無人偵察機Shadow RQ-7を提供する。また希望があれば更なる援助を行う用意があることを強調したい。
●パキスタンとの関係
過去米国がパキスタンを見捨てた過ちを認める。米国は、長期にわたる信頼に足る関係を築く決意である。米国がパキスタンの核兵器を管理する意図はない。またパキスタンの一部を支配したり、パキスタンの分割を考えたりしていない。そのような陰謀説はナンセンスである。
●アフガニスタンへの関与
(11年7月以降に撤退を開始することに関して、)それは単に兵力削減が開始される時期を示すに過ぎない。撤収のペースは状況によって決められるのであり、期限はない
ご参考までですが、パキスタンの国防関係者の中では、大臣より統合参謀本部議長より、陸軍司令官が権力を持っています。従って公表写真(右)も陸軍司令官とのものです
インドとパキスタンの歴訪、ベッキー夫人同伴で・・・おなかの具合は大丈夫でしょうか・・・。核態勢見直しがデッドロックのようですが、帰国後頑張っていただきたいものです。

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