米がイエメン援助を倍増へ

10日、マレン統合参謀本部議長やペトレイアス中央軍司令官が相次いで米テレビ週末の政治番組に登場し、イエメン政策について語りました。
petraeus2.jpgmullimages.jpgマレン議長は、「今現在、米軍に関して言えば、イエメンに派遣する可能性はない」とCNNの番組で話し、ペトレイアス司令官はCNNの別の番組で「昨年約65億円であった援助を、2010年には140億円以上にすることになるだろう」と語りました。また同司令官も「我々は常に当事国が自身で問題に対応することを望んでいる」、「我々は手助けしたいのだ」と語りました。
米国防省HPの記事によると、イエメンへの援助額は・・・
06年4億円→07年22億円→08年ゼロ→09年60億円→10年130億円強・・と増加
背景となるイエメン関連の事案としては
●80年代にアフガンでソ連と戦ったムジャヒディーンが帰国
USS_Cole_damage.jpg●00年米海軍艦艇コール(被害写真)への自爆テロで米兵17名死亡
●02年上記コール事件の犯人を米軍が無人機で殺害。イエメンは公表しないことを前提で黙認していたが、米が公表したため関係が冷却化。援助減少
●06年コール事件犯人を含む23名が脱獄。サウジのアルカイダと合流しAQAP(アラビア半島のアルカイダ)結成
●09年11月陸軍基地での乱射事件を起こした米陸軍少佐がイエメン在住の宗教指導者と関係があった。 
イエメン全般情勢は・・
イエメン政府に取っては、アルカイダより、北部の反乱勢力(フーシー族:イランが援助か)と南部の分離主義者を押さえ込むことが優先
●北部反乱族はシーア派の影響を受け、サウジが浸透を恐れており爆撃したりしている
●イエメンには海を得立ててソマリアから難民が数万人流れ込み、ソマリア・アルカイダとAQAPが連携の恐れもある。
反米的な住民感情があり、いわば破綻国家であることから米の対応は困難です。米が攻撃すると、反米感情からアルカイダの要員採用が容易になる可能性が高く、対応は単純ではありません。
ただ、隣国のサウジもテロの標的となるため対応に迫られており、イエメンと話がしやすいサウジと協議をしながらイエメン政策を進めることが一つの手段と考えられています。

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