先月24日、米空軍最大の装備調達案件であるKC-X(次期空中給油機)の提案要求書RFP最終版が発出され、企業からの提案を待つばかりとなりました。
しかし、提案要求書の内容がボーイング社に有利すぎると、ノースロップグラマン・EADS共同体側は提案を拒否した形が報じられているところです。
そんな中の今月19日、EADS社が自社のホームページに声明を掲載し、「提案の準備のため5月15日の提案要求書提出期限を90日間延長してほしい」、「KC-135の後継機にボーイング社に対抗して応募することには、他の要因も影響しいうる。」との要望を明らかにしました。
これを受け(時系列的には)米国防省のホイットマン報道官は19日の会見で、「妥当な範囲の延長」を行うかについて検討中、延長は提案要求書に関しては珍しいことではなく状況に応じて判断している、国防省は幅広く競争が行われることに関心があり、要件を満たした提案を歓迎する、と述べました。
本件に関しては、12日にブラウン英首相とサルコジ仏大統領がロンドンで会談し、米国防総省の次期空中給油機調達商戦で、米政府が米ボーイング社に優位となるように調達仕様を変更したことを保護主義的だとする認識で一致。サルコジ大統領は「保護主義反対を唱えるなら、米国自らが範を示すべきだ」と、米国を批判していたところです。
ちまたでは、米国製造業や軍需産業の苦境を考えボーイングで決まり、との話になっていますので、調達取得改革の試金石としたい国防省としては複数の提案があることが望ましいのでしょう。
EADSには何か見返りがあるのかな・・・などと邪推してしまいますが、トータルで健全に軍需産業が維持されることがもっとも望まれるところです。
下の写真は、カリフォルニアでの訓練でMV-22オスプレイに乗り込む海兵隊員、とミシシッピー川支流域の訓練訓練センターで沼地・河川流域での活動訓練を行う海軍兵士です。
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