米国防次官がF-35の遅れを語る

carterashton2.jpg4日、カーター米国防次官(取得技術兵站担当)がAFPSの電話インタビューに答え、「2年の計画遅延」と報道されている開発計画についてコメントしました。「米軍史上最も高価な調達」とゲーツ長官が語るF-35計画について、担当国防次官のアシュトン・カーター氏は・・・
●昨年10月に終了した国防省内の調査で、開発計画が30ヶ月遅延していることが明らかになった。検討の結果、ゲーツ長官は遅れを13ヶ月間にまで縮小する計画変更を決断した。
●計画に参加している8ヶ国に対して、盲目的に楽観的でもなく、現実悲観論的でもない計画にすることが出来た。更に今後数年間にわたり、第三者的評価を行いながら計画の管理を行っていく。
warfaref-35.jpg根本的な技術的問題や能力発揮上の失敗は全くない。JSF(F-35のこと)は引き続き、次世代の集団的な航空優勢獲得の屋台骨である。
●本計画の経費は2002年以降膨張を続け、Nunn-McCurdy法の基準を超えている。しかし我々は議会からの指摘を受ける前に再検討を行ったところである。
(注:Nunn-McCurdy法の基準とは、15%以上計画経費を超過したものは議会に通知し、25%を越えたものは計画のキャンセルを議会が求めることを定めたのも)
●同機のソフトウェア開発に関しても再構築・見直しを指示している。
●ロッキードマーチンと関係企業に対し、我々の求める成果を出すよう契約の修正を行う予定
donleyafa.jpgまた時事通信によると、「ドンリー空軍長官は4日の上院軍事委員会で、開発中のF35戦闘機の空軍への実戦配備について、計画していた2013年に「間に合わせることは非常に難しい」と証言し、遅れる見通しであることを公式に認めた。
 同長官はF35の開発も約13カ月遅れることを明らかにした。F35は米軍の次期主力戦闘機になるだけに、開発、配備の遅延は米国の安全保障に重大な影響を与えかねず、レビン委員長(民主)は来週にも遅延問題について集中審議を行う方針を示した」だそうです。 
090831-D-7203C-038a.jpg昨年8月31日、ゲーツ長官はF-35工場で、「2011年にフロリダのエグリン基地で訓練飛行隊が編成され、2012年に海兵隊がIOC(初期運用能力)を獲得する予定に変更がないことを喜びとする」と語っていましたが・・・。
75%の出来でも、現場のニーズに応えるために早く現場に提供することを重要だ、との考え方が適用されるのでは・・・との懸念がありますどのようにして30ヶ月の遅れを13ヶ月まで短縮するのでしょうか・・・計画管理の強化でどうするのかが具体的に聞きたいんですけど・・
(付録)
「どんな兵器を:Anti-Access環境対応」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04
「Anti-Access環境への対応コンセプト」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-03
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
QDRにおける対中国の新作戦構想に関する部分(Holyland推定
   → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09

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