ブースト段階対処には気の遠くなる衛星配備数が必要
Midcourse段階ではデコイ識別困難かつ高コスト
MIT研究者がふらつく政府と国防省計画を糾弾
先行して企業提案の評価やデモ開発契約が始まっている「ブースト段階対処」は、短い迎撃可能時間内に迎撃ミサイルを敵ミサイルに到達させるには、気の遠くなるほど多数の迎撃ミサイル搭載衛
星を配置する必要があるため有効性実現性に疑問符が付き、この課題から国防省が再検討を始めている「Midcourse段階対処」も、「デコイ(偽弾頭)と本物の弾頭」が困難との以前からの課題克服の目途が立たず高コストであり、結局「宇宙配備迎撃ミサイル」は無駄な努力だと警鐘を鳴らしています
本件は、既にご存じの方には「自明の理」かもしれませんが、依然として「宇宙問題初心者」である「まんぐーす」の勉強も兼ね、当該DefenseOne記事概要をご紹介いたします。
「ブースト段階:boost phase」迎撃とその課題
●2025年11月末に、米宇宙軍が複数企業とプロトタイプ初期試作契約を締結
●敵弾道ミサイル発射直後の加速上昇する段階で、打ち上げから約3分間程度の短時間。相手からの迎撃を回避するための「対処策:countermeasures」であるデコイ(偽弾頭)を本体から分離できない比較的脆弱な段階。
●発射から3分以内に迎撃するためには、目標近傍の宇宙軌道上に常に迎撃ミサイル搭載衛星が存在する必要があるが、衛星は常に軌道上を移動しており、一つの発射地点をカバーするのに多数(数十~数百?)の衛星が軌道上に必要で、敵が10発同時発射すると想定すると、10倍の迎撃ミサイル搭載衛星が必要となる
●この方式でロシアや中国や北朝鮮が配備する多数のミサイル基地全てをカバーしようとすると、膨大(hundreds of thousands)な衛星が必要となる。
●なお、「ブースト段階」は迎撃されるリスクが高いことは冷戦時代から認識され、米露はブースト時間短縮技術をある程度確立済みで、「ブースト段階」迎撃衛星を敵が配備するとなれば、米露中に加え北朝鮮も「ブースト段階」短縮に取り組み、迎撃に必要な衛星数は更に増加を迫られる。
「Midcourse段階:Midcourse phase」迎撃とその課題
●2025年12月に試作機コンペティションを開始し、2026年2月に選定結果に基づき(複数企業と)プロトタイプ初期試作契約に進む予定
●打ち上げから約3分以上経過すると、弾道ミサイルは大気圏外を飛翔する「Midcourse段階」に入り、迎撃可能時間が15分程度に拡大するため、「ブースト段階」に比し迎撃機会確保は容易となる。
●しかし「Midcourse段階」に入ると、敵ミサイルは迎撃回避のためデコイ(偽弾頭)を放出する「対抗策:countermeasures」に出る。大気圏外でデコイ(偽弾頭)は実弾頭と差異がない飛翔をするため、デコイ識別技術は未確立で、「Midcourse段階」での実弾頭の確実な迎撃には、多数の迎撃ミサイルが必要となりコストを押し上げる
●また、「Midcourse段階」迎撃用の迎撃ミサイル搭載衛星は一般に高い衛星軌道上に配備が必要で、かつ10年程度で衛星を交代させる必要もあり高コスト
●この「Midcourse段階」迎撃の問題故に、「ブースト段階」迎撃検討から開始したが、再び「Midcourse段階」迎撃を再検討し始める事自体が、「Golden Dome計画」の行き詰まりを立証
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上の説明は「更なる質問」を呼ぶと思いますが、「まんぐーす」の能力限界もあり、この辺りにしておきます。ご興味のある方は「ぐぐる」なり、AI先生にお尋ねください。
それでも米国政府は「Golden Dome計画」に着手し、企業側は対策があると主張して提案を出しているようですから、単に「巨額の資金に目がくらんで・・・」では無いことを祈るばかりです。
ブースト段階迎撃が機能しない旨の説明動画(約100秒)
トランプ政権の心配なGolden Dome構想
「計画を責任者が少し語る」→https://holylandtokyo.com/2025/12/11/13414/
「ブースト段階の宇宙配備兵器デモ契約」→https://holylandtokyo.com/2025/12/02/13307/
「総責任者の大将人事」→https://holylandtokyo.com/2025/08/05/12306/
「ミサイル防衛テコ入れ加速の大統領令」→https://holylandtokyo.com/2025/02/14/10810/


2月3日付DefenseOneが2名のMIT専門家の論考を掲載し、トランプ大統領肝いりで同大統領任期中の2029年1月までの運用開始を目論む米本土ミサイル防衛構想「Golden Dome計画」の中の、特に「実現可能性」や「コスト問題」で物議をかもしている「宇宙配備型迎撃ミサイル」システムに関し、