ベネズエラ作戦周辺で目撃のRQ-170ステルス無人ISR機

元運用部隊指揮官とベテラン記者への取材記事
もちろん依然として「謎」の機体ですが・・・
ハイエンド用には既に「RQ-180」存在か?

1月7日付米空軍協会web記事が、米軍は正式に作戦投入に言及していないものの、1月3日のベネズエラ大統領捕獲作戦「Operation Absolute Resolve」当日に、プエルトリコの飛行場基地周辺で飛行が目撃&撮影されていた無人ステルス偵察機RQ-170について、2010年代に同機の部隊指揮官を経験した元准将とベテラン記者への取材記事を掲載していますので、引き続き「謎」が多いアセットですが、これを機に経緯や推定能力や推定任務や類似機体について同記事等からご紹介いたします

RQ-170(Sentinel)無人ステルスISR機について
●ロッキード製で2000年代半ばから運用開始し、2009年12月に米空軍が存在を認めるも、細部に言及無し
●2011年5月のパキスタン領内でのビン・ラディン殺害作戦の前後に、アフガンのKandahar基地やその周辺で複数の目撃情報や撮影情報あり

●2011年12月、イラン革命防衛隊が同機を「電子戦」を駆使して捕獲したとRQ-170機体と共に発表し、後にリバースエンジニアリングでイラン製偵察機を完成と公表
(複製機の性能等は不明も、ウクライナで多数ロシア軍が使用しているイラン製無人片道攻撃機Shahed等は、RQ-170に形状がそっくりである)
●2026年1月のベネズエラ作戦で投入されたとしたなら、ロシア製防空ミサイルS-300や中国製のステルス機も探知可能と宣伝していた防空レーダーJY-27Aも回避可能であった可能性あり

偵察衛星と偵察機の任務
●衛星センサーの解像度や情報収集能力は飛躍的に向上しているが、上空からの写真撮影方向が限定され、また天候や日光の角度の影響もうける制約がある。
●また、衛星は偵察目標上空を通過する時間を敵側も把握可能なため、衛星通過時間に敵側が、目標を隠す、行動を秘匿する、不断と異なる欺瞞行動を行うことが可能
●偵察機は、敵の脅威や敵への暴露を無視すれば、偵察方向や時刻を自由に選択可能で、衛星より距離的に接近可能であり、攻撃目標の事前評価や攻撃戦果の評価確認に適している。

Bill Sweetman航空宇宙記者
(RQ-170の存在を初スクープし、今も継続取材)
●2009年12月に米空軍がその存在を認めたが、2010年代のアフガンやイランでの活動以降は活動情報が少ない。機体の大きさから搭載センサーは1個、多くても2個が限度で、ISR機能はMQ-9と同等と推測。
●目撃情報で多いのは電気光学センサー(electro-optical)だが、レーダーも搭載可能かもしれない。しかし搭載可能重量は大きくなく、マルチセンサー装備は搭載不可と推定。航続距離も飛行高度も控えめな性能だろう

●最近の目撃情報や公開情報は少ないが、米空軍は2020年にRQ-170参加のネリス空軍基地周辺での演習概要を公開し、5年後のベネズエラ作戦で見られたように、F-22、F-35、海軍E/A-18電子戦機など、多くのアセットととともに参加し、F-35による敵防空網の制圧能力テストを中心に、強固な敵防空網に侵攻可能かが評価された明らかにしている。

RQ-180 cover

●ただ米空軍はRQ-170について写真1枚は公開しており、完全な謎ではない。より情報が少ないのは、米空軍が2014年に「RQ-4やU-2偵察機では脆弱性から接近困難なエリアへのアクセス確保のため、working on the RQ-180 remotely piloted aircraft」とのみ言及して以後情報が無いRQ-180ステルス偵察機である
●RQ-170は、ステルス性の無いMQ-9と、より高度な能力を持つと推定されるRQ-180の間を埋める無人ステルスISR機だろう。RQ-180は対中国用で、ベネズエラでは、航空アセットが人目に付きやすい複数の基地から発進しており、RQ-180を投入して機体を暴露するリスクを冒す必要性はなかったと考える。

Houston Cantwell退役准将
(2010年代にRQ-170部隊指揮官2年、現Mitchell研究所員)
●偵察機なので能力を秘匿するのは当然だが、偵察センサー技術を秘匿するというより、機体のステルス性暴露を避けたい思いが強いと思う。そのためにRQ-170が、どこでいつ投入され、どのような能力を持ち、どのような通信システムを備えているかに非公開としている

●過去には、イラン周辺や北朝鮮周辺でのRQ-170飛行が目撃されているが、同機は一般に認識されているよりも、遥かに活発に活動している。全てが極秘任務であるため、細部に言及できないが、複数の地域戦闘コマンドエリアで継続的に運用されてきている
●ベネズエラにステルスISR機が投入された確証はないが、high-value作戦の計画&実行&事後評価には、より詳細で正確な情報を入手のため、ステルス性のある突入型ISRアセットの存在は非常に重要であり、同系列アセットの優位性維持のため、継続的な投資が不可欠
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RQ-170のYouTube日本語解説動画(約9分)

「RQ-180」に関しては、10年前の2014年時点では、当時の空軍担当幹部が研究開発を示唆しつつ、同時に「予算上の制約で道遠し」も示唆していましたが、その後どうなんでしょうか? B-21爆撃機の改造版無人ステルスISR機とか、面白そうだと思いますが・・・

RQ-170関連の記事
「映像:イランがコピー機飛行」→https://holylandtokyo.com/2014/11/15/8244/
「ハメネイ氏がコピー無人機視察」→https://holylandtokyo.com/2014/05/14/8433/
「RQ-170をイランが捕獲し公開」→https://holylandtokyo.com/2011/01/29/9716/

RQ-180関連の記事
「謎のRQ-180」→https://holylandtokyo.com/2014/07/21/8376/
「空軍ISR部長が語る」→https://holylandtokyo.com/2014/06/18/8406/
「スクープRQ-180」→https://holylandtokyo.com/2013/12/10/8587/

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