低コスト数百マイル射程のドローン攻撃部隊編成を2030年代初頭目指し
担当者:必要要員や編成や戦術や行動規範や指揮統制など多数検討事項と
将来的には特殊作戦軍の下に編成で「ごまめ」扱いか
専門家はニーズがあるのに鈍重な米空軍と
そして検討が計画通り進めば、2030年代初頭に、中国等の本格的な相手との戦いを念頭に置いた、射程数百マイル級の武装ドローンを保有する「low-cost, one-way attack drones部隊」を、検討結果を踏まえて戦力化する構想だと米空軍幹部が語ったとしています。
まず関連の大統領令や国防長官指示を確認
・6月6日の大統領令「Unleashing Drone Dominance」
・7月10日の国防長官「Drone Dominance Program」指示
(2年間で34万機の小型低コスト戦術ドローン製造を軍需産業に奨励する1000億円規模の計画開始)
・12月17日、7月の国防長官指示(4段階構成)の第1段階に関する細部指示や依頼
米空軍協会web記事によれば
●国防長官は2026年までに具体的進展を求めているが、指示を受けた各軍種は、低コストで使い捨てドローン攻撃部隊の編隊や作戦運用への取り込みに苦慮している。
●米空軍も同様に、「敵ドローン攻撃への対処」を優先検討して来たことや、攻撃には「低コスト使い捨て」ではない「MQ-9」のような高性能アセットを使用してきた経緯もあり、「低コスト片道攻撃ドローン部隊」検討指示への対応が遅れているのが現状である
●米空軍担当幹部は、詳細は検討中だが、(片道攻撃)無人機を空軍戦力として活用することを検討しており、統合指揮官の任務遂行のための制空確保に、大量発射可能な戦術ドローン組織を想定している、と説明し、
●同時に「ウクライナでのような小型攻撃ドローンの大量配備は難しい(You can’t mass in the way・・being used in Ukraine)が、国防長官指示は小型無人機(規模によるドローン5分類の
中の小型の2形態を意味)は航空機としてではなく、むしろ個別の兵器として扱うべき、との考えに沿ったもので、そのような解釈であれば指示に沿った体制検討の可能性がある」と語っている。
●空軍が部隊編成する場合、「必要人材の特定、戦術や作戦範囲、装備、訓練のほか、作戦の指揮統制をどうするか、部隊人員の必要な前線への展開や撤収法、防御部隊などを含めて検討の必要」があり、これらを含めた「総合的な検討を煮詰めた後」に、低コスト攻撃ドローンによる砲兵攻撃を超えた航空阻止作戦が遂行可能となる
●編成は、「米中央軍が最近中東で編成した片道攻撃ドローン部隊「Task Force Scorpion Strike」や、無人ウイングマン機CCA受入部隊としてネリス空軍基地で編成され、最近規模を拡大
している第53航空団隷下の実験運用部隊(EOU:experimental operations unit)が参考になるだろう」
●また「実験運用部隊(EOU)の管理は、空軍の特殊作戦コマンドSOCと戦闘コマンドACCの共同事業となるだろう。EOU設置場所は未定だがネリス基地が候補地の一で、2026年半ばに特殊作戦コマンドSOC部隊として発足する可能性が高い」、「理由は、現在小型ドローンを使用し、ウクライナや「台湾」などの地域で同盟国等と緊密に連携しているのは、まさに特殊作戦コマンドSOC兵士だからである」
●導入ドローンは「複数機種を比較検討」しているが、「プロペラ4基のクワッドコプターではなく、固定翼機にこだわる可能性が高い。固定翼機に小型高効率エンジンを搭載し、長距離飛行や長
時間滞空任務に適当なタイプがイメージの一つで、地上および空中からのドローン発射実験を、600~1,000マイルの範囲で行う予定」
●例えば、「フィリピンの臨時展開拠点から活動するACE構想型部隊は、教育訓練を受けた少人数部隊編成で、現場で攻撃ドローンを組み立て、南シナ海または東シナ海の敵基地に片道攻撃を繰り出すことが可能となろう。射程距離は機密扱いだが、800マイル程度が、ACE構想型部隊が敵脅威にさらされずに済む距離であることは、公開情報からも想像可能」であろう
同記事掲載の専門家の疑問
●シンクタンクCNASのStacie Pettyjohn国防部門長の米空軍の取り組みに関し、「空軍は低コスト攻撃ドローンによるstand-off作戦に着目するのが遅れたが、真剣に考え始めたのは大きな一歩だ」と評価しながらも、
●「なぜ、より長射程のドローンを検討しないのか疑問だ。中国の港湾施設や大陸沿岸の戦術目標を攻撃ドローンで飽和攻撃できれば、敵の対処能力を低下させて効果的だと思うが、そのためには(800マイルより)射程距離の延伸が必要だ」と指摘している
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ヘグゼス国防長官が命じても、「笛吹けど踊らず」状態の米軍や米空軍の状況を、「戦闘機命派」が牛耳る米空軍協会が、「攻撃ドローン部隊」の拡大により「戦闘機部隊」が縮小されることを避けるため、「うまくいけば2030年代初頭にドローン部隊編成」との米空軍の「(やる気が全く感じられない)のんびり姿勢」を擁護するために書かれた記事をご紹介しました。
申し訳程度に「記事」が引用した専門家コメントを引くまでもなく、有人戦闘機の指示で動く無人ウイングマン機CCA導入を考えるより、ストレートに長射程の「low-cost, one-way attack
drones」を考えるべきなのに、グダグダ言い訳並べて検討を遅らせる米空軍を見るのがつらい今日この頃です。
そういえば最近、新しい空軍参謀総長Wilsbach大将が「大佐以上の上級幹部パイロットも、もっと飛行訓練して現場感覚を維持し、現場士官の声を聴いてこい」と指示を出したとか・・・。就任から約2カ月、飛行訓練を増やすことに関する発言「だけ」が伝わってくる新参謀総長殿です(遠目涙)
米国製ドローンによる支配に立ちはだかる壁
「陸軍基地内にドローン大量製造体制へ」→https://holylandtokyo.com/2025/11/12/13161/
「米空軍高官:ウクライナで試験せよ」→https://holylandtokyo.com/2025/09/09/12705/
「米がドローン支配狙うも」→https://holylandtokyo.com/2025/07128/12266/
「米国内の米車基地防衛机上演習」→https://holylandtokyo.com/2025/09/10/12313/
ヘグゼス長官指示ドローン防御など
「米国防省がドローン防御特別チーム」→https://holylandtokyo.com/2025/10/22/12984/
ウクライナとイスラエルの革新的兄弟作戦
「防研のクモの巣作戦解説」→https://holylandtokyo.com/2025/07/14/12101/
「イ工作員の防空網破壊が口火」→https://holylandtokyo.com/2025/06/23/11962/
「空軍 OB が影響否定:クモの巣作戦」→https://holylandtokyo.com/2025/06/06/11771/


12月23日付米空軍協会web記事は米空軍幹部の話として、ウクライナの教訓等を踏まえ、米国が大統領令や国防長官指示で取り組む「米国製ドローンによる支配」「小型ドローンの大量製造体制確立と導入」の流れの中で、遅きに失している対応ながら、米空軍が2025年春から実験的&試行的な「低コスト片道攻撃ドローン部隊」の設計検討に着手し、2026年に同左ドローンとその部隊の運用要領を検討する部隊を編制予定だと紹介しています。
