2023年 11月にNATO7カ国共同導入発表も
2025年7月に米国防省が米空軍のE-7 導入中止発表し
同時に7カ国組織NSPA から米が離脱宣言
「戦略基盤と財政基盤が失われた」と関係国発表
米議会が米空軍E-7 予算強制復活に動く中
NATO は高価なアセットを加盟国で共同購入し、運用要員を各国から差し出して混合編成で運用する方式をE-3 早期答戒管制機や輸送機で導入しており、E-3を14機保有(独空軍基地を拠点に運用)して共同運用していますが、
老朽更新のため上記7カ国がNSPA (NATO Support and Procurement Agency)を編成し、2022年下旬から E-7と Saab Global Eye と Northrop Grumman E-2D を比較対象として、後継機種選定作業を行った結果としてのE-7 導入決定でした
しかしトランプ政権誕生後、2025年7月に米国防省がE-7導入中止を発表し、同時にNSPA(NATO Support and Procurement Agency)からの脱退も米国が発表したことから、今回オランダ国防省は「米国離脱で、戦略的基盤と財政的基盤の両方が
失われた」との理由を付して E-7導入中止発表となりました。
ただ、米空軍E-7導入中止に関しては、「追加導入する5機の米海軍E-2Dと、宇宙アセットや地上センサー情報を融合して E-3機能を代替」との国防省案が、空軍現場や0B や米議会から猛反発を受け、米議会もE-7 導入予算を含む修正案を打ち出しており、復活の可能性が高まっている状況です。
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本件を報じる11月13日付米空軍協会 web 記事は、「国防総省がE-7導入を復活した場合、NATO
も方針を転換する可能性はある」と表現しつつも、オランダ国防省声明の「NSPA 加盟国は代替案を模索し、新たなパートナーを探している」との部分を取り上げ、Saab製の Global-Eye が有力だとも言及しているところです。
史上最長の43日間に及んだ「米国政府閉鎖」は、11月12日に来年1月30日までの予算を賄う「つなき予算案」が成立したことで解消されたようですが、米議会判断で、この「つなぎ予算案」にE-7導入継続予算300億円が盛り込まれたとのことです。
しかし、11月12日に米国でE-7経費を含む「つなぎ予算案」が成立したのに、翌日の13日に欧州
NATO が「E-7導入中止」を発表する流れを、どう解釈すればよいのでしょうか???
現在の契約は2機のE-7プロトタイプ機を約3800億円で導入するもので、「つなぎ予算案」はその一部に過ぎず、当初計画である 26機導入の目途が立ったと言えるのか「?」ですが、「F-47 次期戦闘機」とか「Golden Dome」とかの超大物新規事業を突然持ち出し、一時はAUKUS 原潜計画の中止に言及したトランプ政権のドタバタは、当面続くのでしょう・・・
2023年11月に導入決定していたが・・・
「NATOE-3後継にE-7 導入決定」→https://holylandtokyo.com/2023/11/21/5262/
突然のE-7 導入中止と復活?の動き
「E-7 導入復活か?」→https://holylandtokyo.com/2025/09/24/12851/
「国防省がE-7導入中止決定」→https://holylandtokyo.com/2025/07/02/12025/
「E-7 導入中止を米政権が検討中」→https://holylandtokyo.com/2025/05/15/11591/


NATO加盟 7カ国(ベルギー、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ルーマニア、米国)が老朽E-3早期警戒管制機の後継機としてボーイング製のE-7を選定し、2031年までにまず 6機をFMS導入すると2023年11月に発表していた件に関し、11月13日オランダ国防省が関係国を代表し、この「E-7 導入計画を中止」すると発表しました。