最新空母フォードと 5隻の駆逐艦をベネズエラ沖へ
10月23日にはB-1爆撃機が2機で威嚇飛行も
発表時点で、中心戦力である空母フォード(USS Gerald R. Ford)はクロアチア沖の地中海に位置し、空母攻撃群を構成する他5隻の駆逐艦の内、1隻はアラビア海にあり、もう1隻が紅海に所在することは判明していますが、他の3隻の場所は作戦運用上の非公開事項とされており、空母フォード攻撃群全体がカリブ海に機動展開完了する時期についても明らかにされていません
この空母戦闘群の機動展開命令発表の数時間前には、ヘグゼス長官が、麻薬密輸の疑いのある船舶に対し 10 回目の攻撃を実施し、「もし地域に麻薬密輸を行う麻薬テロリストが存在すれば、アルカイダと同じように扱う」、「昼夜を問わず、ネットワークを監視し、仲間を追跡し、追い詰め、殺害する」とSNSに投稿していたところです。
また先日ご紹介した10月15日のB-52 爆撃機3機によるベネズエラ沖カリブ海での威嚇飛行に続き、10月23日には2機のB-1超音速爆撃機が同様の飛行を行っており、既にベネズエラ近傍のプエルトリコに展開中の海兵隊の F-35B型10機とMQ-9無人攻撃機6機やAC-130特殊攻撃機やアパッチヘリ、更に沖合に展開中の海兵隊強襲揚陸艦 Iwo-Zima 乗艦の海兵隊員など、計1万名が展開してベネズエラに睨みを利かせているとのことです
これに対しベネズエラのMaduro大統領は、トランプは麻薬密輸との戦いだと説明しているが、これは Maduro氏を大統領職から追い出すための試みだと主張し、「米国の攻撃に備え約2,000キロの海岸線防衛演習を実施」、「祖国の海岸線 100%をカバー可能な装備と重火器を配備完了」と国営TVで国民に呼びかけたようです
10月24日付Defense-News 地域専門家の分析を取り上げ、「麻薬は言い訳だとの解釈をよく耳にするが、誰もがそれを知っている」、「つまり、米国は特定の目的を追求するために、従わない指導者や国に対しては軍事力を使用するだろう、とのメッセージは地域各国の首都に非常に明確に伝わっている」と紹介しています
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米国内では、「米軍の行動の根拠は?」、「米議会の承認なく軍事力が使用されている」、「米軍やCIA が何を行っているのか議会に報告がない」等々の批判が上がっているようですが、割愛させていただきました
中東に目を光らせていた最新空母フォードを基幹とする空母攻撃群が、中東地中海エリアからカリブ海に機動展開を命令されたとの、極めてエポックメイキング的な事象をご紹介させていただきました
緊迫するベネズエラと新NDSでの西半球重視
「3機のB-52爆撃機で威嚇飛行」→https://holylandtokyo.com/2025/10/21/13001/
「麻薬密輸船への米軍攻理論」→https://holylandtokyo.com/2025/10/06/12942/
「新しいNDSでは中南米重視」→https://holylandtokyo.com/2025/09/30/12893/


10月24日国防省報道官は、ヘグゼス国防長官が中東と地中海に展開中の空母フォード攻撃群に対し、直ちにカリブ海に機動展開するよう命じたと発表し、「米国の安全と繁栄を脅かす違法行為者や活動を探知、監視、阻止する能力を強化する」との声明を出しました
