カリブ海での密輸船攻撃の根拠づけ論理解釈
「戦争権限法」に基づき米議会承認を受けるべきとの非難の中
トランプ政権「西半球」「米国本土防衛」重視の生みの苦しみ
なお、現地時間10月3日には、ベネズエラ沖で4回目の攻撃が行われています。
この3回にわたる攻撃は、米国が2025年初めに海外テロ組織に指定した「Tren de Aragua gang」が、麻薬密輸のためベネズエラから出港させたスピードボートや貨物船等に対して行われたもので、トランプ政権は「米国への麻薬の流入を阻止するために必要な軍事行動の強化」として攻撃の正当性を主張していますが、
この麻薬密輸船攻撃への米軍投入に関しては法的根拠を巡り、米議会の承認なしに、このような軍事作戦実施を禁じている「戦争権限法:War Power Act」に違反するものだとして、民主党議員のみならず、複数の共和党議員や人権団体から強い疑問の声が上がっており、これら疑念の声に対するトランプ政権の反論が、「違法な戦闘員組織と非国際的な武力紛争に突入している」との情勢認識と法的論理構成・・とのことです。
つまり、麻薬カルテルとの対立を「武力紛争:active armed conflict」だとすることで、政権側の米軍投入の判断を「特別な戦時権限:extraordinary wartime powers」に基づくものだとして正当化する論理構成です。
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まんぐーすの「報道つまみ食い」による「怪しい解説」はこの辺りで止めておきますが、9月30日付ブログ記事「新しい米国の国家防衛戦略NDSにおける中南米重視:」でご紹介したように、近く公表予定の新政権NDS(国家防衛戦略)では、「米本土防衛強化」のため「移民対策」や「麻薬対策」が重視が打ち出されますが、その新方針を巡る「生みの苦しみ」が始まったものと理解しております
確かに、麻薬組織が密輸する麻薬によって米国社会は厳しい状態に追い込まれているわけですが、麻薬組織が直接米国や米国民を攻撃しているわけではないので、「既存の法的枠組み」で「米軍投入」を「正当化」するのは苦しい解釈になるのでしょう。
間もなく公開2025 NDS(National Defense Strategy)関連
「新しいNDSでは中南米重視」→https://holylandtokyo.com/2025/09/30/12893/

