日本とウクライナで共鳴する無人機の話題

夏休み気分でダラダラと不規則な生活を送っていたところ、無人機に関する勢いのある報道が2件続けて目に入りました。

飛ぶ鳥を落とす勢いのウクライナ第 1副首相兼デジタル転換相が「無人機を迎撃する無人機の生産拡大に取り組み」、かつ「日本との技術協力と運用ノウハウ共有でWin-Winの関係を築きたい」と熱く語り、同時期に日本の政府関係者が、「防衛用無人機の大量配備へ 1000億円超」の調達費を計上する方向で調整、と語ったとの報道が重なりましたので、ご紹介いたします

現実的には、全く関連性のない2つの報道だと思いますが、このブログ記事を契機に、Win-Winな2国間関係に繋がれば・・・との期待を込めて

★★【ウクライナが迎撃用無人機の生産拡大に注力】★★
https://www3.nhk.or.ip/news/html/20250813/k10014892801000.html

ウクライナのハイテク戦争を支えるデジタル転換相が語る
米が停戦に動く中で無人機攻勢を強めるロシアに対処
ロシアの攻撃ドローンを迎撃する無人機の生産拡大を

8月13日付でNHKが、ウクライナ政府でIT化などを主導するフェドロフ第1副首相兼デジタル転換相(1991年生の34才!)へのインタビューを配信し、ロシア軍が無人機攻撃を強化継続する中で、ウクライナは「迎撃用の無人機の生産拡大を積極的に進め、防空態勢の強化を急いでいる」と述べ、日本との技術協力にも積極的な姿勢を示していると紹介しています

ウクライナのフェドロフ第 1副首相兼デジタル転換相は、ロシアによる軍事侵攻が続く中、無人機の開発や軍のIT化などを主導するゼレンスキー政権の重要閣僚の1人で、2022年2月の開戦直後に、SpaceX社のマスク CEOにネット上で「スターリンク」の提供を要請し、これにマスク CEOが直ちに応じたことや、ウクライナ軍に積極的にドローン導入を図った立役者として知られている人物です

フェドロフ氏は、既に首都キーウ近郊に「無人機を無人機で迎撃する専門の部隊」も編制&配備されていると語り、ロシア側の攻撃に迅速に対応してウクライナ部隊を配置変換する体制を、「『ウーバー防空』の原理で攻撃側の出方に応じて配置を変えている。安価な無人機が防空兵器となった以上、機動性が重要だ」と語っています

そして「この戦争に勝利し、国民の生命を守るためにはテクノロジーが不可欠だ」とした上で、「日本とウクライナのハイテク産業の間でWin-Winの関係を築きたい」と語り、日本からは投資や技術面での支援を受け、ウクライナからは実戦経験をフィードバックする形で協力関係を築きたいと、フェドロフ氏は熱く語っています。

★★【日本政府が防衛用無人機大量配備へ 1000億円】★★

ウで活躍のトルコ製無人機などが視野
日本政府高官:大方針は「質より量だ」

8月12日付共同通信が、同日複数の政府関係者の話として、2026年度の概算要求案に「防衛用無人機の大量配備へ 1000億円超の調達費を計上する方向で調整」に入り、ウクライナが対ロシアで使用したトルコ製の低価格無人機の取得などを視野に置いていると報じています

無人機を巡っては今年4月、防衛省内に将来の戦い方を検討するチームが発足しており、政府高官は「大方針は『質より量』だ。まずは数で優勢を確保する戦略になる」と語っており、海外から比較的安価な無人機をまず購入する方針のようです。

その際、自衛隊の無人機を活用した攻撃&偵察能力を向上させるため、陸海空自衛隊への早期配備を重視する一方で、将来的には、国内での無人機製造体制構築を目指す、としているとも紹介しています。

無人機の自衛隊への導入に関しては、2022年策定の防衛力整備計画で「人的損耗を局限しつつ任務を遂行するため」の手段として無人機の有効性を強調し、2025年度予算では、洋上監視用の米国製の中型無人機MQ-9Bの取得費に415億円を確保するとともに、小型の攻撃用無人航空機にも 32億円を充当するとしていたところ。
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あっち系の「共同通信」が、特に批判的な表現を用いず、防衛省への無人機大量導入を報じているところが気持ち悪いくらいですが、『質より量』でもなんでも、使ってみてノウハウや経験を積み重ね、日本的に改良してほしいものです

そしてウクライナの柔軟な発想と「実戦経験フィードバック」も積極的に活用し、日本国内の産業基盤育成につなげていただきたいものです!

現実的には、全く関連性のない2つの報道だと思いますが、このブログ記事を契機に、Win-Winな2国間関係に繋がれば・・・との期待を込めてご紹介いたしました。

米中もドローン産業支配を
「米国がドローン支配狙うも」→https://holylandtokyo.com/2025/07/28/12266/
「中国はドローン対処に 3000社投入」→https://halylandtokyo.com/2025/05/28/11509/

ウクライナとイスラエルの革新的兄弟作戦
「ウクライナ:クモの巣作戦」→https://holylandtokyo.com/2025/07/14/12101/
「ウの革新的ドローン遠方攻撃」→https://holylandtokyo.com/2025/06/06/11771/
「イ工作員の防空網破壊が口火」→https://holylandtokyo.com/2025/06/23/11962/

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