米海軍艦艇でセンサー情報から潜在脅威抽出AI試験へ

Rebellion Defense 社の「Iris」システム
契約金額非公開の開発案件
2026年に米艦艇2隻に搭載し試験へ

4月3日付 DefenseOne 記事は、最新技術で精度や情報収集範囲が増した膨大な艦艇センサ一情報から、潜在的な脅威を抽出するAI搭載システムを米海軍が開発中で、イージスシステムや艦艇防御システム操作員等から意見聴取も行いながらソフト成熟を図っており、2026年に2集の米海軍艦艇に搭載して本格試験に入る予定、との開発担当企業CEOコメントを紹介しています

開発中のシステムは、Rebellion Defense社による Target-Processing Software 搭載の「Iris」システムで、AIでデータをふるいにかけ、潜在脅威を検出して行動まで予測する同システムの開発開始時期は不明ながら、米海軍との14か月の開発契約延長に最近合意し、製品プロトタイプ2台と完成品1台の製造契約も結んだと記事は伝えています。

同社CEOのBen FitzGerald 氏は取材に対し、
●最近の海軍艦艇センサーは高性能&高感度であるがために、非常に小さな多数の目標を探知するが、最終的に脅威を判断する操作員や指揮官が、注意すべきものか、無関係なものかを判断する作業が膨大なものになりすぎており、これを助けるシステムを開発している

●例えば、民間旅客機として飛行計画登録されている飛翔物体が、事前情報よりも小さくゆっくりと動いているなら注意を要するし、想定最高速度の 95%以上のスピードで航行する水上物体は、登録情報がタンカーでもより注目すべきと知らせたい。膨大な情報に人間が埋もれないよう、怪しい目標を選別したい

●「Iris」設計に際しては、米海軍艦艇の既存インフラであるイージス戦闘システムと連動し、海軍の統合戦闘システムともシームレスな連接することを大前提とし、実際に艦艇でこれらシステム操作を担っている兵士からのフィードバックを非常に重視している

ヘリテージ財団 Brent Sadler 研究員は
●予測AI技術とビッグデータ技術は、例えば水上センサー情報の中の、漁船集団のような「群れ」に埋もれている、悪意のある行為を行う可能性のある物体を絞り込み特定するのに適している
●完全に脅威を区分できなくても、数百単位でセンサーがピックアップした雑多な対象物から、高リスク目標を絞り込めれば、海軍艦艇の限られた対処兵器とセンサーをより適切に割当てることが出来る
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膨大なセンサー収集データを、AIを使って分類・処理・分析・分配等行うシステム開発は、米軍各軍種全てで行われ、既に使用されているシステムやソフトも相当あると思うのですが、具体的にご紹介した記憶がなく、取り上げました。

特に海上の場合、波やうねり等の自然現象がもたらす電波反射で、センサー情報から「ノイズ」を除去する機能が一つのポイントかと思いますが、素人ながら最近の「ノイズキャンセリング機能付き」イヤホンの凄さに感心しているので、期待したいと思います

AIと情報処理関連
「AI 情報融合効果を語る」→https://holylandtokyo.com/2025/03/11/10867/
「AIがU-2偵察機センサー操作員を」→https://holylandtokyo.com/2020/12/18/346/
「AIは孤独な指揮官の助け」→https://halylandtokyo.com/2020/12/15/343/

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