イスラエルのイラン奇襲作戦は潜入した工作員の防空網破壊が口火

イラン深く潜入したモサド工作員が精密誘導兵器やドローンで
イランの防空ミサイルや弾道ミサイルを有人機飛来前に無効化

6月13日付 DefenseOne 記事は、イスラエルが同日未明に開始したイラン奇襲空爆作戦に関し、イスラエル関係機関がメディアに配布した作戦初動に関する発表資料を基に、イスラエル対外情報機関であるモサド工作員が極秘にイラン国内深くに事前侵入し、持ち込んだ精密誘導兵器を車両搭載したりドローン発進拠点を準備して、イランの防空基地や弾道ミサイル基地を作戦初動で攻撃したと紹介しています

提供された資料情報によれば、モサドはイラン中部に工作員を隠密に派遣し、イランの地対空ミサイル基地近傍に精密誘導兵器や誘導装置を車両搭載して配置し、イスラエルを発進した戦闘機等がイラン領内の目標に到達する前に、イラン防空システムを破壊したようです。

また「作戦のかなり前からイランの奥深くに侵入した」モサド工作員によってイラン国内に攻撃ドローン発進拠点も設置され、13日未明に同拠点から発進したドローンが、テヘラン近郊の弾道ミサイル基地(エスファジャバード基地)を攻撃したと資料は説明しているとのことです。

このように、イランの防空兵器やイスラエル攻撃用の弾道ミサイルは潜入したモサド要員を活用して作戦初動で相当程度無効化され、イスラエルから飛来した作戦機には、イランの軍高官と核開発科学者が初動攻撃の主要標的として割り当てられていた模様です。
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1992年にイラクのサダムフセインによるクウェート侵攻を排除した「湾岸戦争」では、作戦初動でイラク軍の前線レーダー基地や防空施設をトマホーク巡航ミサイルやアパッチ攻撃ヘリ等で攻撃したと伝えられていますが、今回は攻撃対象がイラン内陸深くの敵基地であったため、工作員を送り込むのが確実で最善(イラン国内の反体制派を利用したかも)との判断かもしれません

それにしても、ドローンの発進拠点を敵地内に設けて目標を攻撃する辺りは、ウクライナのロシア爆撃機等奇襲作戦にそっくりで驚きました。

ロシアやイランという、外部者が侵入や活動するのは困難と考えられる国々でそんな活動が可能なら、中国人大量流入の日本国内の自衛隊基地周辺に、滑走路や高価な装備品や飛行場設備を破壊可能な迫撃砲や対戦車ミサイルを持ち込むことは容易で、ドローン発進場所を確保する苦労もないでしょうから、空自の戦闘機基地を無効化するなど「朝飯前」の作戦と言えるでしょう

Stimson Center による当然の帰結レポート
「日本やグアムの滑走路には期待できず」→https://holylandtokyo.com/2025/01/06/10547/

ドローンを秘密裏に露国内に持ち込んで奇襲攻撃
「ウ軍の革新的ドローン遠方攻撃」→https://holylandtokyo.com/2025/06/06/11771/

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