予算不足でF-47より優先すべき事業があった
基地防空や宇宙対処を優先すべきと考えた
新政権がこのジレンマをどう扱うかは不明
ポッドキャスト番組「Defense and Aerospace Report」でKendall氏は、2024年に次期制空機計画の一時中止を打ち出したのは、限られた予算枠の範囲で様々な予算ニーズを総合的に優先度を判断したからだと語り、基地防空を改善しなければ「F-22もF-35もF-47も決して離陸できない」現状を前に、今後5年間で 3兆円は必要と見積もられた次期戦闘機計画は優先度が低いと評価していたと語っています。
そして中国が巡航&弾道&極超音速ミサイル数千発を配備して米空軍拠点を攻撃可能な体制にある中、これらに対する費用対効果の高い防衛が極めて重要だとし、ACE構想で機敏な分散連用を目指す米空車にとって、現在の米軍で基地防空を担う陸軍のパトリオットとTHAAD防空システムでは目的を達成できないと言い切り、長官時代から主張していた「空軍基地防空」への投資の重要性を再度主張しています
もう一つF-47より高優先度だと述べた「対字宙(counter-space)」に関しては、中国が現在、米軍や同盟国を標的とした長距離攻撃を可能にするために多数の衛星を保有しており、それら中国宇宙アセットへの対処策は「米軍を守るだけでなく、同盟国を守るためにも重要な国家優先事項だ」、「宇宙対策を積極的に進めるべき」と主張しています。
また前長官は、トランプ政権が2026年度予算案を準備する中で、全体の予算枠と事業優先度の課題にどのように折り合いをつけるのかわからないと述べ、米空軍が避けて通れない大きな課題であると語っています。
F-47機種選定(ボーイングVS ロッキード)に関しては・・・
●両社の提案は、共に非常に創造的で、技術的に非常に近いものだった。設計は両社全く異なっているが、ロッキード社が勝てた可能性もあった
●ボーイングは「戦闘機メーカーとして今後も存続するためは、絶対に勝たなければならない」立場にあり、「提案において少し革新的で、リスクに挑戦的であったかもしれない」。逆にロッキードは「リスク回避的」だったかもしれない
●具体的な企業名は言えないが、片方の企業がより早く主要技術の実証に取り組んで可能性を示し、もう1社もそこに着手し、時間差で同様に実証した経緯はある。
●(ボーイングのKC-46やT-7や大統領専用機における悪い実績の影響に関する質問に対し、)ロッキードもF-35で問題なしではなく、現在もブロック 4能力向上と維持間題等々で争っており、過去に問題のない企業はない。各企業の言い分だけではなく、機種選定では厳格に検証された技術的パフォーマンスが評価されている
●運定結果はあくまでもF-47計画の第一段階「Increment 1」に関するものであり、今後の技術革新等を反映した近代化バージョン「Increment 2」以降を縛るものではなく、今後 30年間の戦闘機における競争に負けたということにはならない。100機程度の受注をボーイングは確保できただろうが、他企業もその後の競争には残れる制度設計になっている。
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Kendall 氏が事業の優先度に関し、全米空軍予算の2年分もの予算超過が現時点でも見積もられている次期ICBM 計画について、全く触れていないのは不誠実だと思いますが、「空軍基地防空」や「対宇宙 (counter-space)」が高優先で、改善しなければ「F-22もF-35もF-47も決して離陸できない」現状への見方は、全く正しく正論です。退任直後にこの発言は大したものです。
全く不足している予算枠内で、2026年度予算がどのように編成されていくのか、「生暖かく」見守りたいと思います
突然いきなりの発表でした・・
「次期戦闘機がボーイング製 F-47 に」→https://holylandtokyo.com/2025/03/24/11099/
ずさんすぎる計画再承認
「全問題先送りの次期ICBM」→https://holylandtokyo.com/2024/07/10/6109/

