ウクライナが15㎞幅のドローン国境kill zone構想

国産ドローン製造ペースにより40㎞幅に拡大も
米露がウと欧州抜きの戦争終結協議開始の中
ウ国防省とウ軍事産業が一体となり

2月18日にサウジで開催された米露のみによる外相級のウクライナ戦争終結協議に先立ち、2月9日ウクライナ国防省が、対ロシア前線に沿った幅15㎞の無人地帯を設け、各種国産ドローンのみによる監視と攻撃をおこなう「kill zone設置構想」を「Drone Line」との名称で発表しました。

同国防省の計画によれば、15㎞の無人「kill zone」にはウクライナ国産の各種ドローンが配備され、このゾーン内での人の動きを継続的にもれなく察知可能な体制を無人で構築しつつ、必要時には人で構成されるウクライナ歩兵部隊が適切に対処できるよう、ドローン監視&攻撃網が捕捉した敵情の有人部隊との共有体制を強化するとのことです。

この構想ではウクライナ国産ドローン配備を基本としており、既にウクライナ軍需産業との調整が進んでいるようで、主要ドローン製造企業Frontline社のCEOは「Drone Line」構想に関し、同構想が配備を想定している各種ドローンは、ウクライナ政府が既に示している無人システム将来能力計画と一致しており、現在のウクライナ産業の技術力や戦略的情勢を反映したものであるとメディアに語っているところです

また別の有力企業グループDroneUA創設者は、ウクライナ企業のドローン生産能力は、大型ドローンで1か月最大2500台、小型なら1日4000台製造可能な規模であり、この生産能力をうまく活用できれば、「kill zone」の範囲を15㎞から40㎞まで拡大できる可能性があると「Drone Line」構想発表に際しコメントしているようです
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ちなみに、今回の紛争で力を付けたウクライナのドローン製造企業は、2月17~21日までUAEのアブダビで開催された中東最大の軍事見本市IDEX2025にウクライナとして展示区画を確保し、「full spectrum」の無人機等を展示して世界のドローン需要急増のチャンスを狙う意欲を見せています。このたくましさは見習いたいものですし、「Drone Line」構想含まれる「最前線の知恵」にも注目したいと思います

欧州やウクライナを議論から排除し、正に「力による平和」を追求するトランプ政権の動きに賛否はありましょうが、この紛争がもたらしたエネルギー価格や食料価格高騰は世界経済全体の大きなブレーキとなっており、それゆえに期待する「声なき声」があることも見逃せません。

ただ、ウクライナの置かれている状況を、対中国や対ロシア有事の日本に当てはめて考えると、それはあまりにも厳しい現実と言わざるを得ません

ウクライナ関連で考えること
「中国はウクライナから何を学んだ?」→https://holylandtokyo.com/2024/12/19/10475/
「ウ開発の音響ドローン探知装置」→https://holylandtokyo.com/2024/10/24/6355/
「世界初の防空兵器消耗戦に直面するウ」→https://holylandtokyo.com/2023/01/27/4220/
「ウで戦闘機による制空時代は終焉」→https://holylandtokyo.com/2022/02/09/2703/

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