米海軍艦艇が8年ぶりカンボジア港へ

カンボジア国防省が発表
カ海軍港ではなく一般港湾施設に
両国海軍間で交流行事を計画

カンボジア国防省が 12月13日、米海軍の沿岸戦闘艦LCS「サバンナ:Savannah」が乗員 103名を乗せ、12月16日から 20日にかけ、タイ湾に面するシアヌークビル港(port of Sihanoukville)に入港すると発表しました。

本件を報じる 14日付 Defense-News 記事は、カンボジア国防省の発表声明から、この8年ぶりの米海軍艦艇訪問は米国の寄港要請を受けて計画されたもので、両国間の「友好関係の絆を強化・拡大し、二国間協力を促進する」と紹介しています。

更に記事は、同LCSがカンボジア海軍基地には寄港しないが、予定港間に「カンボジア軍のReam 海軍基地司令官との実務会議」、地方当局者との会合、そして「米海車とカンボジア 海車の乗組員による親善スポーツ大会」が行われるとカンボジア国防省発表から取り上げています。

カンボジア国防省の発表に先立つ 12月11日には、カンボジア外務省が両国関係に関して、「好調な勢いのある二国間の協力関係」や「カンボジアと米国間の軍事協力の再活性化」と2国間関係を表現したとも記事は報じています。

更に先立つ2024年6月にはオースティン米国防長官が同国を訪問し、約40年間にわたり独裁体制を敷いてき父であるたワン・セン首相の跡を継ぎ、2023年8月から首相に就任している米陸軍士官学校卒業生でもある息子のフン・マネ首相と会談した経緯もあるとのことです。

ただ、両国関係は長らく不安定で、米国はカンボジア政府による政治弾圧と人権侵害を批判してきており、またカンボジアと中国間に太いパイプがあることも確かで、2019年に WSJ紙が、中国カンボジア間に「中国がReam 海軍基地を30年間使用し、軍人を駐留させ、武器を保管し、船舶を停泊させることができる協定」の初期段階の合意文書が存在することを米当局が確認済と報じ、懸念がさらに高まりました。

また最近では南シナ海に面する前述のマラッカ海峡近接のカンボジア Ream 海軍基地に、米豪支援で建設された災害対処用施設を無効化するようなやり方で中国海軍施設が建設され、衛星写真では中国駆逐艦が使用可能な大型頭も確認されていたところです。

このような複雑な背景もあってでしょうか? 米国側は12月14日時点で艦艇訪間を発表しておらず、在カンボジアの米国大使館からのコメントもないと同Defense-Newsは伝えています
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知識不足と調査不足で、「生煮え」のご紹介となり恐縮です

2023年8月まで約40年間独裁体制を続けたフン・セン首相は、左目の「義眼手術」を日本の政治家の仲介で日本の病院で受け、安部総理の国葬にも自ら出席したほどの日本通として知られています。

またその息子で新首相のフン・マネ首相は、米陸軍士官学校を卒業後、ニューヨーク大学で修土号、更に英国ブリストル大学で経済学博士号を取得した経歴や、父親とは対照的な温厚そうなルックスでカンボジア国民の圧倒的支持を集めており、日本側でも、既に陸軍長官時代に軍人の立場ながら岸田首相への官邸での表敬訪問を受け入れるなど、重視している人物です

カンボジアは、日本と歴史的に関係の深いミャンマーとともに、中国への接近が目立つ点で西側との関係が難しい状況にありますが、日本との関係が深い東南アジア進出のポイントとなりえる国です。今後の推移を期待を持って見守りたいと思います

カンボジアの新首相
「米陸軍士官学校卒の息子」→https://holylandtokyo.com/2023/08/04/4896/

カンボジア Ream海軍基地での中国施設建設
「その後・疑念深まる」→https://holylandtokyo.com/2022/06/15/3354/
「中国進出警戒感高まる」→https://holylandtokyo.com/2021/06/18/1921/

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