暗号分析官が語学転換に挑戦
急速多数養成のため軍語学学校ではなく都会のBerlitzで
14か月間の集中コースとのことですが・・・
1月8日付米空軍協会web記事は、米空軍第70 ISR航空団が、国家防衛戦略NDSにより示された対テロから本格紛争対処体制への米軍の移行に伴い、もはや部隊で需要が激減しつつあるアラビア語やアフガニスタン地域で使用されているパシュトゥン語の言語分析専門家(正確には暗号言語分析官 CLA: cryptologic language analysts)を、中国語の同職専門家に転換させる14か月の教育コースが、民間企業ベルリッツの運営で、8名に対して開始されていると伝えています
同専門家CLAは、NSA(National Security Agency)と連携し、地上や電磁波情報収集機(RC-135シリーズやEC-130H)で集めた言語や信号による通信情報を分析する任務を持っていますが、アラビア語やアフガン語の専門家は軍内で職を失いつつあり、管理的なポストや別の業務の責任者業務就いていることが多く、中国語専門家へのニーズが急増する中で、言語専門家としての経験を生かすため、中国語への転換教育開始を空軍として決定したとのことです
米空軍第70 ISR航空団で同教育を担当する軍曹は正直に、「言語をマスターすることは容易ではなく、私はこの転換コース参加者をうらやましいとは思わない」と語っていますが、中東言語への需要が激減し、ロシア語や中国語専門化への需要が急速に高まる中で、他言語であってもCLAであった専門家の知見を、空軍として無駄にはできないとしています
従来米空軍の言語教育コースは、加州Montereyの「Defense Learning Institute Foreign Language Center」や、ペンタゴン近傍の「Defense Language Institute-East」で行われてきましたが、中国語需要が養成能力限界を超えたことから、第70 ISR航空団所在のメリーランド州で、語学教育会社ベルリッツの力を借りて中国語習得コースを立ち上げることになったとのことです
担当軍曹はその利点を、民間教育リソースを利用することで、転勤旅費や教育予算を節約でき、かつ生活の質の高いメリーランド州に所在する同航空団基地内に居住することで兵士の福利厚生面での向上にもつながると強調し、このような教育手法をアピール材料に、中国語専門家を希望する一般空軍兵士も募り、言語専門家需要の急増に応え養成数を増やしたいとの意向を示しているようです
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記事はベルリッツの教室で中国語に取り組む受講生数名の様子をとらえた写真を掲載していますが、中東言語の専門家として相応の年齢であり、「中国語専門家のニーズが高い」とはいっても、中国語への興味だけでは職責を果たせるレベルに14か月間で達することは容易ではないでしょう
中国語への転換教育を受けている8名は、5名がアラビア語の様々な方言の専門家で、3名がアフガン地域語パシュツゥン語で貢献してきたCLAとのことで、担当軍曹の「参加者をうらやましいとは思わない」発言は、正直すぎる率直な感想と言えましょう
中国経済の崩壊が不動産バブル崩壊から金融システム崩壊に飛び火し、習近平が経済の苦境を認めるに至っていますが、まだまだ中国の混乱は序の口で、中国共産党政権は国民の預金に手を付けようとしている模様だとの気配も報じられています。
様々な意味で中国語へのニーズが高まっているとのことは理解しますが、アラビア語から漢字世界への転換とは・・、苦行以外の何物でもないと思いますが・・・
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