米議会で共和党が国防長官の年俸1ドル提案の泥仕合

国防省の多様性やジェンダー政策担当幹部にも1ドル要求
2024年度予算の成立瀬戸際に時間無駄提案を連発の愚行

Gov shutdown4.jpgこの記事を公開したタイミングで、10月1日から始まる米国の新年度用の2024年度予算が成立しているのか、とりあえずの暫定予算でお茶を濁しているのか、それとも1日の日曜日から米政府機関閉鎖が始まっているのか定かではありませんが、日本が偉そうに言える状態ではないものの、米議会の状況は混迷の度を深めています

今日取り上げる9月27日付Defense-Newsは共和党の動向を伝えるのみで、民主党の問題には触れておらず片手落ちな点には目をつぶって頂くとして、最近行われた共和党大統領立候補者によるTV討論会に、支持率50%を超えるトランプ氏が一度も姿を見せず、その他の2位争い候補だけで「動物園状態のののしりあい」を見せられては、ため息も出ません

Gov shutdown2.jpg記事タイトルに挙げた「(年俸約3200万円の)国防長官給与を1ドル」に削減する提案を行ったのは、共和党のジョージア州選出Marjorie Taylor Green下院議員で、同議員は「アフガニスタンからの米軍の無秩序な撤退」や「軍の最近の兵員不足」等々を取り上げて政府や国防長官を激しく非難して国防長官給与削減を求め、

このほかにも国防省で「ダイバーシティやジェンダー問題」を担当する複数の幹部の給与を1ドルにする予算案提出し、27日に下院共和党案としての本議会提案を承認させており、その他にも別の共和党議員が大統領令で示されている気候変動対策の国防省による履行を禁じる法案を共和党案に仕立てているほか、海外で妊娠した女性兵士が米本土に帰国する旅費支給規則を停止する改正案も提出されています。

Gov shutdown3.jpg「ダイバーシティやジェンダー」との言葉にきな臭さを感じるまんぐーすは、これら共和党下院議員の気持ちも分からないではないですが、上記のような共和党下院提出法案は、民主党が多数を占める上院で通過する可能性はゼロに近く、10月1日(日)からの政府機関閉鎖や兵士への給与未払いが発生する土壇場において、適切な行動とは考えられません

この記事を書きながら横目で見ている9月30日夜7時のNHKニュースは、共和党内の内部抗争で、投票を14回行っても議会内の委員長さえも決定できない「グダグダ」を報じていますが、ロシアや中国が「瀬戸際」にある千載一遇のチャンスを、みすみす逃しているような気がしてなりません。

Gov shutdown.jpg中国やロシア独裁政権の限界や腐敗を、「メシウマ」のネタにYouTubeで見て楽しんでる間に、西側の柱となる国の土台が揺らぐ事態が差し迫っています。ため息も出ず、顔を伏せたくなるような状況です

民主党のリベラル政策にも「ついていけない危うさ」を感じるまんぐーすですが、共和党にはもう少し何とかして頂きたいものです。立派な議会提案もたくさんありますから。

米議会から国防省や米軍への要求
「無人機防御策を米軍に要求」→https://holylandtokyo.com/2023/06/29/4761/
「バカ高い極超音速兵器価格を試算」→https://holylandtokyo.com/2023/02/08/4261/
「希少アンチモンの備蓄要求」→https://holylandtokyo.com/2022/06/21/3379/
「レーザー兵器開発に懸念」→https://holylandtokyo.com/2021/09/24/2223/

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