20年ぶりにロシア人を米国ロケットで宇宙へ

若田さんも搭乗のSpaceXロケットで
初の米国原住民女性を含む4名で国際宇宙ステーションへ
米露関係が悪化の一途をたどる中で・・・

SpaceX Russian.jpg10月5日、フロリダ州からSpaceX社のFalcon-9ロケットが国際宇宙ステーションに向けた打ち上げに成功し、ウクライナ侵略で米露関係が最悪の状態にある中、20年ぶりにロシア人宇宙飛行士(Anna Kikina:冒頭写真右端)が搭乗員4名の一人として米国から飛び立ったと話題になっています。

更に、NASA長官のBill Nelson氏は打ち上げ直前、国際宇宙ステーションISSで米国人とロシア人が継続して同時に活動している状態を維持するため、米露それぞれのロケット打ち上げに失敗があっても大丈夫なように、ロシア人宇宙飛行士を米国ロケットで、米国人飛行士を露ロケットで交換打ち上げすることに今夏合意し、次回の交換打ち上げは来春だと発表し、今の米ロ関係の中で大きな話題になっています

SpaceX Russia Crew5.jpgなおロシアのソユーズロケットによる打ち上げで、約2週間前に米国人Frank Rubio宇宙飛行士がカザフスタンの発射場から既にISSに到着しているとのことです。

また、4名の搭乗員の一人が「初の女性Native American」(Nicole Mann海兵隊大佐:冒頭写真左から2人目女性)で、Native American男性が最初に宇宙滞在した2002年以来の「Native American」宇宙飛行士誕生でも話題になっています

SpaceX Russian2.jpgそして日本人として誇らしいのが、4名の中で唯一の宇宙飛行経験者で、今回5回目のISS滞在となる若田光一さんの搭乗で、もう一人の男性宇宙飛行士Josh Cassada米海軍大佐と力を合わせ、現在の米国人とイタリア人クルーから任務を引き継ぎ、来年3月までISSでの活動を予定しています

今回の打ち上げは、米国史上最大のハリケーン被害とも言われている「Hurricane Ian」の襲来により延期されていましたが、クルーのリーダーである若田さんは「この打ち上げ、で少しでもフロリダの空を明るくできれば」との言葉を打ち上げ直前に残して出発しました

SpaceX Russian4.jpgなおロシアは今年に入り、2020年代中にロシア製宇宙ステーションを軌道上に配置して国際宇宙ステーションから撤退すると発表していましたが、今週に入り少なくとも2024年まではISSにコミットし、「ロシア製宇宙基地はすぐには実現しない。それまでは米露はともにISSで飛行する」と関係幹部が語ったと報じられています
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ウクライナ情勢は「核兵器」も絡んで緊迫の度を深め、米露関係は悪化の一途ですが、ロシアのISS活動への当面コミット発言が、世界の空を少しでも明るくしてくれることを期待し、5日付Military.com記事をご紹介しました

SpaceX Russian3.jpgこれまでISSを取り上げた際は、ロシアの衛星破壊兵器実験でISSが危険な状態に置かれた・・・等の暗いニュースでしたが、今後に期待したいと思います

関連の記事
「露の衛星破壊兵器実験でISSが危険に」→https://holylandtokyo.com/2021/11/17/2435/
「ロシア衛星がなどの物体射出」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-24
「怪しげなロシア衛星問題提起」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-04
女性と宇宙
「初の女性月面着陸を目指し」→https://holylandtokyo.com/2021/07/05/1935/

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