2020年5月17日から今年7月7日で780日の記録更新
地球周回軌道上で数々の謎の実権を継続実施中
再利用可能な実験無人宇宙船X-37B Orbital Test Vehicleが、7月7日に自らが持つ宇宙滞在連続記録780日を更新し、引き続き宇宙空間で「謎の実験」に取り組んでいます。米宇宙軍が保有&運用するX-37Bですが、宇宙軍が何機同型機を保有しているのか、2年以上も宇宙空間を漂って何をしているかについて、ほとんど公開されていません。
X-37Bは「9m×4.5m×3m」とマイクロバス弱程度の大きさで、ロケットの先端に取り付けて打ち上げ、帰還時は無人のスペースシャトルのように滑走路に着陸する無人宇宙船です。OTV(Orbital Test Vehicle)が正式名称の実験船で、当初はNASA所管でスペースシャトルの貨物室に搭載する予定でしたが、同シャトル計画が中断されて2004年以降は国防省が引き継いでいます。
2010年4月に最初の打ち上げられた1回目の宇宙滞在が224日間、2回目が468日間、3回目が675日、そして2017年5月に帰還の4回目は718日間、2019年10月に帰還した5回目は780日で、この記録が今回6回目の飛行で更新されたわけです。
記録を更新した今回6回目の打ち上げは、2020年5月17日にいつものフロリダ州Cape Canaveral基地で行われ、打ち上げ前には極めて珍しいことですが、宇宙で放出される搭載物のうち2種類が明らかにされました。
一つは米空軍士官学校作成のFalconSAT-8実験衛星5個で、もう一つは米海軍研究所作成の太陽光発電エネルギーを電磁波に変えて地上に送信するアンテナモジュールの2つで、X-37Bの役割をアピールか・・・と話題になりました。また5枚目の飛行では、イオンエンジンの一種「Hall Effect thruster」も試験の一つだと公表されていました
その任務の大半が非公開であることから、アマチュア天文家が競ってその様子を地上から観測し、中国衛星に接近しているとか、様々な憶測を呼んでいるところです。中国やロシアもX-37Bが「攻撃兵器だ」と疑いをかけているようですが、X-37Bの動きは地上からでもフォロー可能で、宇宙軍が説明しているように「逃げも隠れもしない。見たまま」の状態だそうです
米国政府は2023年に、X-37Bをより洗練されたデザインにしたような民間企業Sierra Spaceが運用する無人宇宙船「Dream Chaser」によるミッションを開始する予定で、NASAはこれを使用して国際宇宙ステーションへの物資補給に利用するとのことです
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Sierra Space社の「Dream Chaser」が、X-37Bにとって代わるのか等については承知していませんが、「Dream Chaser」がX-37Bにそっくりなので驚きました。機能を突き詰めていくと、スペースシャトル以来の形状に落ち着くということなのでしょう
これ以上のコメントができませんが、12年前からフォローしておりますので、引き続きネタにさせていただきます
X-37B関連の記事
「2020年5月打上時:少しソフト路線に?」→https://holylandtokyo.com/2020/05/15/672/
「ちょっと明らかに?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-05-11
「中国版X-37B?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-15
「X-37Bは中国衛星を追跡?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-07
「X-37BがSシャトルの代替?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-12
「米が宇宙アセット防護計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-16
「X-37B関連小ネタ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-04
「X-37Bをご存じですか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20
「Dream Chaser」解説のwikipedia
→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B5%E3%83%BC_(%E5%AE%87%E5%AE%99%E8%88%B9)