風だけで進み、太陽光でセンサー運用
全長約6m、高さ4.5mでウインドサーフィンのような
米沿岸警備隊も試験中
12月13日付Defense-Newsが、米中央軍の海軍がヨルダン南方の紅海で、加州のベンチャー企業「Saildrone社」が製造した「Saildrone Explorer」との「セール(帆)で進む無人水上艇」の試験を、10日から開始したと報じています
「Saildrone Explorer」は、全長約7m(23 feet)、高さ4.5m(16 feet)のウインドサーフィン形状で、波乗り板にセール(帆)が付いたようなシンプルな構造で、自然の風によって進み、搭載センサーや通信系統は太陽光パネル発電エネルギーで動作する仕組みになっています
既に同社は、サンフランシスコからハワイまでの航海を2013年に34日間で成功させた実績を持ち、搭載した光学カメラや夜間用の赤外線カメラ、艦艇識別装置等などのセンサー等を用い、長期にわたる広範囲の情報収集に活用可能で、ソフトウェアの工夫で運用者が関心のある対象物の情報収集も可能だアピールしています
米海軍がこれら基本性能を踏まえ、具体的にどのような用途に使用を考えているのか不明ですが、記事は「機械学習や人工知能の活用により、見通し線以遠を監視警戒可能な、低コストで温室効果ガス排出ゼロなアセットが確保できることを米海軍は期待している」と説明しています
なお、米沿岸警備隊も2020年秋から、ハワイで「Saildrone社」の製品をテスト開始しているようです
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Saildrone社の関連webページ
→https://www.saildrone.com/technology/vehicles
一般艦艇との比較だと発見されにくいのでしょうが、セールの大きなや形状等から、それなりに発見されやすいとも見えるのですが、海上だと波等に紛れて大丈夫なんでしょうか?
ハワイ(沿岸警備隊)や中東の紅海(米中央軍の海軍)でテストしているのは、太陽光発電が利用しやすいためだと思われますが、米海軍としてどのような用途を考えているのか興味津々です
対中国での劣勢を跳ね返すため、あらゆる手段を排除せず、検討するという基本姿勢だと思います
米海軍の無人システム関連
「無人システム構想が酷評される」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-22
「21年初に本格無人システム演習を太平洋で」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-10-1
「潜水艦も無人化を強力推進」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-03
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10