どんでん返し新型4世代機F-15EXでエンジン機種選定へ

6月30日、まず最初の発注分(2022年11月30日まで納入分)は、F-15EXの調達を急ぐので、GE製にすると国防省が発表
461台購入予定のエンジンのうち、何台をGEにまず発注するのかは不明。ちなみエンジンの納入は2030年まで続きます
https://www.airforcemag.com/ge-gets-contract-for-first-batch-of-f-15ex-engines/
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GE AviationのF110で行くはずが・・・
Pratt & WhitneyがF100も競わせろと訴え、空軍が折れる
このご時世、民需が厳しく、軍事への期待大です

F-15EX 3.jpg5月20日付米空軍協会web記事によれば、2020年度から予算が計上され、2023年から米空軍への納入が始まる第4世代機F-15EXに関し、GE Aviation社製のF110エンジンで進め、5月に契約すると1月に米空軍が公式発表していたにも関わらず、対抗馬のPratt & Whitneyが「わが社のF100も要求値を満たしている」と会計検査院に訴えたことから、勝ち目なしと判断した米空軍が折れる形でエンジン選定をやることになったようです

このF-15EXは、老朽化が進むF-15C型の退役が進む中、空軍はF-35を後継にしたいながら、F-35の維持費が高すぎ、かつ増産が間に合わない等の背景から、苦渋の決断として「旧型機種の最新型」導入というかつてない異例の導入が決まったものです。ちなみに、F-16でなくF-15になったのは、ロッキード(F-16とF-35担当)に偏ってはダメ・・との軍需政策判断です。このあたりの経緯や関係者の証言は以下の記事・・
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30

F-15EX 2.jpg米空軍が使用するF-15C/D型はPratt & WhitneyのF100を搭載していますが、15年ほど前から始まった輸出機用にはGEのF110が搭載され、F-15シリーズの最新型カタール用F-15QAを原型に、能力付加したF-15EXを導入することにした米空軍は、そのままGEのF110を使用する考えでした

もう一つのF110選択の理由は、対抗馬のPratt & WhitneyのF100をF-15EXに搭載するには、F-15EXの「fly-by-wireシステム」への適合改修が必要で、この適合改修を製造と同時並行で行う必要があるため、米空軍が「わずらわしさ」を嫌ったためだといわれていま

これに怒ったPratt & Whitneyは、同社実績からすればF100エンジンの「fly-by-wireシステム」への適合など何の問題もなく、納入までに適合確認を十分終了できるにもかかわらず、米空軍が恣意的に排除したと米会計検査院に訴え、5月18日がGAO裁定日でしたが、その直前に米空軍側から両社エンジンから選定を行うと申し出があったようです

米空軍や国防省側としては、F-35のF135エンジン(2700機分)をPratt & Whitneyが担当しているんだから、141機のF-15EX用エンジンぐらいGEに回してやれよ・・・が本音かとも思いますが、きっちり比較分析する作業が求められるようです

20日付米空軍協会web記事によれば
F-15EX 4.jpg米空軍は、2023年供給開始時点では月産エンジン4基を求め、2026年半ばには月6基まで伸ばし、その生産能力を2030年5月まで維持することをエンジンメーカーに求めている
米空軍の方針変更を受けGE社は、「わが社のF110-GE-129は、(現時点で)F-15EXに適合する唯一のエンジンであり、米空軍の要求に直ちに答えることができる完成品である」、「GAは最近15年間で、F-15用エンジンの86%を世界中に提供しており、米空軍F-16でも7割を支えている」、「F110エンジンファミリーの総飛行時間は1000万時間を超え、3400個のエンジンが世界中で活躍してきた」と自信のコメントを発表した

一方のPratt & Whitneyは、「わが社のF100-229は、米空軍が現在運用する全てのF-15(F-15Eを含む)の推進システムであり、その信頼性、安全性、性能を最前線に提供している」、「機種選定決定により、目的達成のための第一歩を踏みだせる」との声明を出している
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F-15EX.jpgF-35という最新鋭機がありながら、最新型とは言え一世代前のF-15の新造機購入に至った複雑な背景は米空軍を取り巻く環境の縮図であり、特に導入決定当時のダンフォード統合参謀本部議長の突き放したような表現ぶりが絶妙ですので、ぜひご確認ください
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30

民航機の落ち込みが「底なし」にも見える今日この頃、他の分野でも軍需をめぐる企業間の競争が激化するのかもしれません・

F-15EX関連の記事
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30
「国防省高官もF-15EX導入を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-23-1
「統参議長がF-15EX購入を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-16-2
「F-15EXは空軍の選択ではない」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
「参謀総長F-15Xを強く示唆」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-31-1
「空自MSIP機も能力向上改修へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-01
「ボーイングがF-15X宣伝中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24-1
「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22

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