昨年12月の統合全ドメイン連接演習は大成功だった

28検証項目の26で機能を確認
4月の次回演習では宇宙軍を焦点に

Rooper2.jpg21日、昨年12月中旬に米空軍が主導してフロリダ沖で初めて実施された陸海空軍の各種アセットを連接した指揮統制を試みる実験演習JADC2の成果と今後について、Will Roper米空軍調達担当次官補とPreston Dunlap米空軍ABMS主席計画官が記者団に説明しました

両氏は、同実験演習が「連接」に関する挑戦的な28もの新たな試みを検証して26個が機能し、演習を視察したDavid Norquist国防副長官や演習指揮官のO’Shaughnessy北米コマンド司令官も驚くほどのデータ融合指揮統制の可能性を示せた振り返り、次回4月の演習では、宇宙軍に焦点を当てたシナリオに、戦略コマンドと北米コマンドを交えた設定を示唆し、更に今回の成功を見聞きした他軍種や同盟国や軍需産業からの新たな挑戦を大歓迎すると語りました

12月の演習テーマは「巡航ミサイルからの米本土防衛」で、米空軍のF-22やF-35のほか、米海軍のF-35Bやイージス艦、陸軍の砲兵部隊まで参加し、演習指揮官が被害状況下を想定してフロリダ州に設置の野外テントで指揮を行う実戦仕様でしたが、今後の展開が楽しみになってきました

22日付Military.com記事によれば
Dunlap.jpg12月の演習には、開発中の「連接」に係る28個のデータ収集・分析・共有・保存等の装置が投入され、1割程度の成功で十分だと考えていたが、26個の新たな挑戦が成果を収め、連接が上手くいかなかった米特殊作戦軍のロボット警備犬と人間装着のカメラも、大きな教訓を得たと両氏は説明した
例えば、Link-16を介してしか連接できなかったF-22とF-35を、双方向リアルタイムで秘匿性高く連接することに成功したボックス型の連接装置は、昨年12月では地上に設置されていたが、次回4月には「Skyborg無人機ウイングマン構想」の研究機であるXQ-58 Valkyrie等の航空アセットに搭載されることになっている

●また、SpaceXの衛星が宇宙から提供する商用インターネット回線を利用する「Global Lightning計画」の検証として、飛行中のAC-130の中で活用し、クラウド環境指揮統制アプリを使用し、地上指揮所でない場所で指揮統制を行うことを初めて試み機能させた
Norquist.jpgこれらの試験をDavid Norquist国防副長官が視察し、O’Shaughnessy北米コマンド司令官も演習指揮官として確認したが、各所からの多数の電話を通じ、人間が組織の接着剤となって活動する指揮所とは全く異なり、情報が円滑に流れるように必要な人間に共有提供され、人間が分析者や判断指示者の役割により集中できる環境が提供されつつあること実感できたと振り返っている

●Dunlap氏は、次回4月の演習では誕生したばかりの宇宙軍と宇宙コマンドに焦点を当て、戦略コマンドと北米コマンドも絡めたシナリオを考えていると述べ、今回試された28個以外の装備も挑戦に参加することが検討されている模様だ
●Roper次官補は、12月の実験演習の成功により、軍需産業関係者が旧式の装備をネットワーク連接することの大きなメリットをに関心を持ち、国防省が確保しているABMS(戦闘管理システム)関連開発予算を獲得すべく競争してくれることを期待すると語り、1月29日にはオハイオ州で実験演習成果を紹介する「軍需産業デー」を開催するとアピールした

●また、他軍種や同盟国等の様々な部署で進められている「連接」に関する取り組みを実験する場として、4か月ごとに実施予定で「連接演習マラソン:connect-a-thons」とも呼称されるこの実験演習を、大いに活用して教訓を得る場としてほしいと訴えた
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O'Shaughnessy2.jpg明るいニュースが数少ない中で、Will Roper米空軍調達担当次官補が登場する会見や講演での明るい話題にはいつも「癒され」ますし、Preston Dunlap米空軍ABMS主席計画官とともに、そのエネルギッシュなご様子には勇気づけられます

これだけ「連接」や「データ共有」が重視されると、中国やロシアが狙う電子戦妨害によるネットワーク分断が気になりますが、この実験演習では「low probability of detection intercept」が重視されているようですので期待いたしましょう

4月の次回演習に関する具体的な情報を楽しみに待ちたいと思います

米陸海空軍が「連接」重視で全ドメインC2演習をルーティン化
初回のテーマは巡航ミサイルからの米本土防衛
「連接演習マラソン:connect-a-thons」とも呼ばれるようです
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-10
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