イランを除く4か国で後継を待ちつつ飛行中
米軍では2016年標的機の役割も終了
11月11日付Military.comが、1950年代から約20年間に渡り約5200機が製造され、今最後の時を迎えようとしているF-4ファントム戦闘爆撃機を取り上げ、これまでの経緯や現状を「さらり」と紹介しています
日本の航空自衛隊が運用するF-4も最後が近づき、10月の岐阜基地航空祭を訪れたファンの方々からも、そのバカでかい騒音に郷愁を感じつつ、シミジミ聞き入る様子がSNS上のつぶやき等から伝わってきたところです
現在もF-4を運用しているのは5か国(ギリシャ、トルコ、韓国、日本、そしてイラン)で、イランを除く4か国では後継導入や導入検討が進んでいるようですが、1970年代に225機を米国から購入したイランが、部品の共食いや裏ルートからの調達や模造品製造で、今でも約50機を運用しているとは大したものです
米軍では2016年に「第2の人生」である「無人標的機」としての役割も終了し、米国内で飛行する姿はもう見られないのでは・・・と思いますが、冷戦時代を支え、ベトナムの空でMig-21と戦った往年の名機を振り返る記事ですので、ご紹介しておきます
11日付Military.com記事によれば
●冷戦時代を象徴する戦闘爆撃機であるF-4ファントムは、その最盛期から数十年を経た今でも現役として一部の国で飛行を続けているが、そのファントムも日没の時を迎えている
●F-4は1950年代から約20年間に渡り全世界で5195機製造されたが、現役のファントムは全世界で数十機に過ぎない。米軍では、海軍、空軍、海兵隊が使用したが、湾岸戦争での実戦任務を遂行した5年後の1996年に最後の有人飛行隊が幕を閉じた
●F-4を操縦してベトナム戦に臨んだ当時のパイロットや記者からは、「本当に優れた一部の操縦者だけが登場の機会を得た機体で、無敵に近かった」、「真に多用途プラットフォームで、数多くの紛争で大きな役割を果たした」、「冷戦時代に同機は世界中で姿を見ることが出来た。西独、英国、米空軍だけで同時に1000機以上が運用されていた」と往時を振り返るコメントが多く聞かれる
●ソ連のMig-21がF-4ファントムのライバルと言われたが、兵器搭載量がF-4の18000ポンドに比し4400ポンド程度と少なく、ファントムに対抗するMig-21を世界中に数多く配備することにつながったと冗談まで言われた
●米軍の有人飛行隊が1996年に無くなった後、数百機のF-4は無人標的機として第2の人生を歩むことになった。有人機から標的機への改修は2013年まで続き、最後の標的機が飛行を行ったのが2016年で、ニューメキシコ州Holloman空軍基地周辺での飛行で60年にわたる米軍での任務を終えた
●1970年代に225機を米国から購入したイランは、1979年の革命以降の米国との断絶や機体の老朽化で機体の維持整備に苦労しているはずだが、機体部品の共食いや裏ルートからの調達や模造品製造で、今でも約50機を運用している
●コックピットからの視界が悪く、排気煙が多いことが欠点と言われ、初期型のレーダーは極めて能力が限られたもので、ゴツゴツした形状は批判的な論者から「空飛ぶ金型:Flying Anvil」等と揶揄された事もあったが、その強力なエンジンで全てを押し切った「幽霊」「幻影」であった
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航空自衛隊のF-4改戦闘機部隊は今年度末で無くなる様で、日本でも見納めの時が迫っています
しかし日本以外の保有国(ギリシャ、トルコ、韓国、イラン)は、「あく」が強そうな国ばかりですねぇ・・・。日本も軍事に関しては特徴ありすぎの国ですが・・・・
イランから航空自衛隊に対し、部品調達のため最後の機体を譲ってくれ・・・などと話があるのでしょうか? もちろん、フィリピンにUH-1やTC-90練習機を譲渡するのとは「全く」異なりますが・・・
「日本が譲渡のヘリ部品でフィリピンUH-1が復活へ」
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-13
ウィキペディア(Wikipedia)のF-4解説
→https://ja.wikipedia.org/wiki/F-4_(%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F)