米空軍資源再配分の最重要分野は「つながる」投資

2021年からの5か年計画で4分野に3.3兆円を再配分
4分野で最重要は統合レベルでの「Connect」
「切りしろ」には言及なく、ちょっとモヤモヤですが

connectivity.jpg6日、米空軍協会主催のイベントでGoldfein米空軍参謀総長は、2021年以降の5か年計画(FYDP)におけて資源再配分(redirect)を計画する3.3兆円の4つの重点分野について語り特に将来の脅威に対処するために統合レベルでの「戦力の連接性:Connecting」への投資の重要性を訴え、産業界からの参加者には「連接性」の無い装備には興味がないとまで訴えました

資源再配分(redirect)による3.3兆円のねん出については具体的な言及がありませんが、「全ての保有装備品を対象に、2030-38年の段階で大きな貢献をする装備や計画かを問い直し、答えがノーなら装備や計画の縮小や終了検討を開始する」と説明し、予算枠の拡大が見込めないことを前提に、スクラップ&ビルドで重要な分野への投資を確保するとの考え方を明確にしています

3.3兆円を資源再配分する4つの重点分野と配分額は
Connect the Joint Force: $9 billion
Offensive and Defensive Space: $9 billion
Generating Combat Power: $9 billion
Logistics Under Attack: $3 billion
・・・の4分野ですが、Goldfein米空軍参謀総長は最初の「Connect the Joint Force」について、重点的に熱く語ったようです

6日付米空軍協会web記事によれば
connectivity2.jpg●Goldfein大将は、「国防省が示した国家防衛戦略NDSを実現するため不可逆的なモメンタムを生み出すには、次年度予算が重要であるが、次のFYDPでは予算枠の増加が期待できない前提で考える必要がある」と語り、資源再配分(redirect)検討の必要性を説明した

●そして「決して素通りできない点として、デジタル化の基礎作りの重要性を強調したい。AIを活用したいなら、超超音速兵器を導入したいのなら、宇宙アセットを防御したければ、エネルギー兵器を必要な目標に指向したければ、量子コンピュータを有効活用するためには、デジタルネットワークを構築し、データクラウド体制を構築しなければならない」と訴えた
●更に「連接するのは米空軍アセットだけでなく、統合戦力である点が極めて重要だ」と述べ、最近実施した机上演習で、最も強力な敵などを想定した厳しい条件設定も拘わらず、2030-38年を想定した将来の米空軍が勝利できた鍵として、統合の指揮統制が機能した点を挙げた

●そして、例えば、衛星、F-35、B-52、イージス艦、地上の海兵隊職種作戦部隊などをすべて結び付ける事で、かつそれら連接ループのほとんどで人間の介入を廃し、キルチェーンの回転を1時間数百回の機械速度に上げる必要があるとも表現した
connectivity3.jpg4か月ごとに実施の大規模演習に合わせ行っている他軍種との連接実験の例として、今年夏の海軍艦隊との連接実験を取り上げ、共通のデータフォーマットを用い、宇宙アセットが怪しい艦艇を見つけてISRアセットに教え、ISRアセットが更なる情報を収集して識別確度を上げ、C2アセット経由で最善の攻撃アセットに目標艦艇情報を流し、流されたイージス艦が目標艦艇を攻撃した例を紹介した

●そして以上のキルチェーン内で、最初に関与する人間はイージス艦勤務者だ」と説明し、人間の関与をなくすことで機械速度のキルチェーン回転の実現と連接の重要性を説明した
●また軍需産業関係者に対して、連接できない装備や兵器の入り込む余地はなくなると述べ、仮に連接性のない装備品や兵器を提案されても受け入れられないと明言した

他の3つの重点分野について
2つ目の「Offensive and Defensive Space」については、特に非公開事項が多くて説明困難で、資源ねん出のためスクラップする事業や兵器の議会説明に骨が折れるが、「宇宙で最初に行動を起こすプレーヤーでなければならない」と表現した
connectivity4.jpg3つ目の「Generating Combat Power」については5つの「P」が重要と説明し、「敵防御網をpenetrate」「高い脅威エリアでpersist」「アセット搭乗員をprotect」「多数の存在でproliferate」「敵アセットをpunish」出来るようなアセットの導入が必要だと説明した

最後の「攻撃を受けながらの兵たん:Logistics Under Attack」は、敵が米軍の兵たんチェーン阻止を狙ってくる中、過去18年間の対テロ作戦時のように、必要な時間と場所に必要な兵站支援を得られるとの思考パターンから脱却し、兵たん確保のための投資を訴えたものである
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Goldfein米空軍参謀総長が強調した「連接性:Connecting」の重要性は、当然米軍内統合のレベルで満足できるはずはなく、同盟国アセットが「つながる」ことを求めてくるのでしょう。

自衛隊の装備品やセンサーがどの程度の「連接性」を備えているのか把握していませんが、ソフト面だけでなく、政治的許容性を含むソフト面でも詰めも必要になってくるのでしょう。

そんな中、日本とのGSOMIAを政治的取引材料のように扱っている韓国に対し、米軍や米国防省、米国安全保障関係者はどんな思いを持っているのでしょうか???

日系クマシロ空軍准将がご活躍
「マルチドメイン指揮統制に必要なのは?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-24
米空軍のMドメイン指揮統制検討
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