遅延中:米空軍のサイバーとISR&EW部隊合併

今年夏から秋へ
センサーを保有する気象部隊も一緒に
Holmes.jpg今年4月に米空軍が発表し、今年夏を目途に進められてきたはずの第24空軍(サイバー担当部隊)と第25空軍(ISR+EW電子戦担当部隊)の合併が、新たに米空軍気象航空団(557th Weather Wing)も合併することにした当の理由から、今年秋に連れ込んでいる米空軍戦闘コマンドACCのMike Holmes司令官が23日語りました
米空軍協会の朝食会で講演した同司令官は、遠くに大きな問題があるようには語らなかったようですが、宇宙コマンド配下にあった第24空軍(サイバー担当部隊)を2018年夏に文化の異なるACC隷下に移籍させたばかりであり、更に第25空軍(ISR+EW電子戦担当部隊)と統合するとなると色々課題があるのでしょう
ただ、気象レーダーなどセンサーを保有する米空軍気象航空団(557th Weather Wing)も統合する発想は斬新で、その意気込みのほどが伺えます。
24空軍と25空軍を合併した部隊の名称もまだ未定だと言うことですが、部隊を率いる予定のHolmes司令官の発言をご紹介しておきます
23日付米空軍協会web記事によれば
cyber1-82e9c.jpg●Holmes司令官は朝食会で「この秋に、二つの部隊を融合した新部隊が初期運用体制IOC確立を宣言することができる」と語り、ISR、サイバー、電子戦、暗号等の関連部隊を一人の指揮官の下に配置して運用する部隊の運用について、「information spectrum」でどのように運用し、包括するかを引き続き検討していると状況を説明した
●また同司令官は、「2015年からACC配下にある気象航空団も融合することにした。気象団がセンサーを用いて世界中から情報を収集していることを踏まえての判断である。センサーからのデータが処理されネットワークを通じて世界に提供されている。だから一つの家に入ってISRやサイバー任務ともフィットすると考えた」と説明した
●新たな合併部隊の指揮官は、米空軍のサイバー部隊として、統合のメジャーコマンドである米サイバーコマンドに仕えることになり、米空軍内のサイバー任務部隊やチームを率いることにもなる
●また同時に合併部隊の指揮官は、欧州コマンド、米輸送コマンド、米戦略コマンドの空コンポーネントサイバー司令部を司ることにもなり、米空軍の多様なレベルのネットワークを担当することになる
Cyber-EX.jpg●更に暗号分野の空軍司令官として、NSAなどで勤務する米軍人を支援することになると同大将は説明した
●新たな部隊はテキサス州San Antonio-Lackland統合基地に所在することになるようだが、ネブラスカ州Offutt空軍基地にも情報戦(information warfare)のハブが置かれる模様である
●もちろん新設部隊は米空軍サイバー部隊の中心として、グレーゾーンのつばぜり合いから、本格紛争までを担当することになる
●また新部隊は、電子戦の鍵となる役割を担い、15年以上にわたって対テロに集中して(疎かになっていた)電子戦分野で、高度化する電子戦脅威を迅速に分析して対処する役割を担う
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今年4月と同じコメントですが・・・
CyberPolicy2.jpgサイバーやっている「ネットオタク」と、地域情勢を扱う「情報分析オタク」が仲良くやっていけるのか? 作戦部隊に近い電子戦EW関係者が、オタクの2大双璧「ネットオタク」「情報分析オタク」と融合できるのか・・・。
上層部が議論する理想と、現場人材の実態がかみ合うのかなど、これまたお手並み拝見したい試みです。もちろんこれら組織を有機的に活動させたいとの狙いと趣旨には抵抗できませんが、現場の様子に興味津々です
「米空軍がサイバー軍とISR軍統合へ」
→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
第24空軍関連記事
「ハッカーが空軍ネットをチェック」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-23
「サイバー戦と既存航空戦力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17
「SNSで探知目標を攻撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-06

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