OIR作戦部隊の副司令官がペンタゴンに言い放つ
「no increased threat from Iran」
14日、イランやシリアでのイスラム過激派対処作戦(OIR:Operation Inherent Resolve:生来の決意作戦)の副指揮官であるChristopher Ghika英軍少将が、米国防省と結ばれたテレビ会議で、「イランに支援された在イラク及び在シリア勢力からの脅威の増加は全くない」と明言し、イランの脅威を強調している米政府の認識との相違を強調しました
この14日朝の英将軍の発言を米中央軍は慌てて否定し、中央軍報道官が「明確に認識された信頼できるイランからの脅威に関するインテリジェンス情報を米国や同盟国から入手している」と改めて強調し、中東域の米軍等が高い警戒態勢にあることを再度強調しました
真実の程は分かりませんし、英少将の発言の真意も詳しくは伝えられていませんが、米軍の中東での動きが急で、何となくホワイトハウス主導の迅速な対応に驚いていた人々にとっては、中東情勢の実態について「?」マークで見ざるを得ないような雰囲気になってきました
14日付Military.com記事によれば
●14日、ペンタゴンとのTV会議での質問に答えたOIR多国籍部隊の官であるChristopher Ghika英軍少将は、、「イランに支援された在イラク及び在シリア勢力からの脅威の増加は全くない」と明言した
●そして同少将は、「もし脅威レベルが上がるようなことがあれば、我々は警戒態勢をそれに応じて高める」と他人事のように表現した
●この発言に対し、米中央軍報道官は当日午後すぐに反論し、「明確な脅威情報に基づき、在イラクと在シリアの米軍部隊は高い警戒態勢にある」、「明確に認識された信頼できるイランからの脅威に関するインテリジェンス情報を米国や同盟国から入手している」と改めて強調した
●更に同報道官は、「これらを受け、OIR部隊は高い警戒態勢にあり、在イラク米軍部隊に対する信頼できる脅威情報を注意深くモニターしている」と改めて述べた
●米中央軍は、英軍少将の発言により、イランがもし攻撃した場合に米軍が反撃するとのホワイトハウスの姿勢の信頼性が損なわれると懸念しているようだ
●イラン外相は14日、UAE近海で4隻の船舶がイランからの攻撃により被害を受けたらしいとの報道は、米国がイランを攻撃するための口実をでっちあげるためのものだと警告した
●更に同外相は、「米国の過激な思想を持つ政策担当者たちが、地域情勢に問題や懸念を無理やり押し付けようとして、破壊工作や疑わしい事象をでっちあげている」、「我々は以前から、米国がこのような手段で地域を緊張させるだろうと予想していた」と訪問中のインドで訴えた
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是非ともOIR副指揮官である Ghika英軍少将には、更なる発言をお願いしたいのですが、二度と表舞台に出てくることはないのでしょう・・・
イランを巡る対応について、米国と欧州諸国の亀裂が拡大しています。14日にブラッセルを訪問した米国務長官が対イランの協力を求めたのに対し、欧州諸国は極めて冷淡な対応だったようです
偶発的な事案が起きないことを祈るばかりです
「切迫イランの脅威で中東にB-52を緊急展開へ」
→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-08