米空軍が上下別の飛行服を検討中

戦闘機Pのシンボル的なつなぎスーツが変わるか
まずは輸送機とヘリから、トイレに便利
A2CU 2.jpg19日付military.comが、米空軍がパイロットの象徴的スタイルである「上下つなぎ」のパイロットスーツの見直しに着手し、通常の戦闘服スタイルの上下別の飛行服を輸送機やヘリ操縦者に許可して使用をはじめて受け入れられていることから、緊急脱出装置付きの戦闘機操縦者にも上下別タイプが提供可能かどうか安全面での確認を行っていると報じています
そもそも、なぜパイロットの飛行服が上下つなぎなのか・・・・。恐らく、戦闘機が攻撃を受けて火災を越した場合に、上下の隙間なく耐火性の飛行服を着ることで火傷を防ぐためや、操縦席からイジェクションシートで緊急脱出した際、パラシュートと身体を一体的に結びつけること、また着水して漂流する際に体温低下を防ぐため、与圧スーツとの関係、耐水服との関係・・・などの理由だと思いますが、今や一つの別人種であることを表すスタイルとなっています
実際の着心地から言えば、トイレに行ったとき大変・・・、特に女性は・・・ということで、この飛行服見直しの主担当はSaily Rodriguez少佐という女性で、Life Cycle Management Centerの「female fitment program manage officer for the the human systems program office」との役職の士官です
まぁ、トイレの不便さだけが見直しの背景ではないと思いますが、輸送機には急速に上下別の飛行服が普及しているらしいとは言え、戦闘機にはどうでしょうか・・・。安全面で基準をクリアーできたとしても、戦闘機操縦者のプライドの象徴ですからねぇ・・・。パイロットが難癖付けて普及しないような気がします
19日付military.com記事によれば
A2CU 3.jpg●18日、Rodriguez少佐は「上下別の2ピース飛行服が搭乗員に提供できるかを検討している」とmilitary.comの取材に対して述べ、つなぎ型から上下別にする利点は、トイレの利用しやすさと全体的な快適さのためであると説明した
●そして「上下別型は広範な観点から検討中であるが、特に安全性面で搭乗員の服装として適当かどうかの点を重視して確認している」と
耐火性の確認などを行っている現状を語った
●既に脱出装置の無い輸送機やヘリでは、既に上下別タイプの戦闘服が搭乗員に使用され始めている。2017年、米空軍は上下別の迷彩戦闘服に似た通称「A2CU:Airman Aircrew Combat Uniform」をヘリや輸送機で着用することを認めたのだ。
A2CUはつなぎ型飛行服と同じ耐火性の繊維で作られており、脱出装置の無い航空機での着用が認められた以降、輸送機の定期運航分などから使用が広まっており、米本土では特に広まっている
各級指揮官もA2CUの使用を様々な場面で認めるようになってきており、訓練時や国外展開時にも使用が広がっている。最近の米空軍輸送コマンドの演習「Mobility Guardian」でも、同コマンドはA2CUの着用をオプションとした
●Rodriguez少佐は、米空軍だけでなく、陸軍でも上下別タイプの飛行服検討が行われているとコメントしている。ただし、急速に更に上下別タイプが普及するとは考えておらず、まだ安全性を確認している段階にあると慎重な姿勢を示した
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A2CU 4.jpg輸送機やヘリ搭乗員は飛行時間が長いから快適な上下別型を早期に許可し、安全面で検討事項が多い戦闘機乗り用には確認に時間がかかっている・・・・との説明のように解釈しましたが、救命救助ヘリは戦闘機以上に厳しい環境で運用する訳で、なぜ確認に時間がかかっているのか理解できません・・・
邪推ですが、つなぎ飛行服が廃止されると、またはつなぎ以外にも着用が認められると、戦闘機パイロットの領域が侵される、スタイルイメージが崩れる、他職域との差別化レベルが低下する・・・などの戦闘機操縦者世界や文化からの抵抗が全ての検討を長引かせているのでは・・・と疑ってしまいます
A2CUがこれほど急速に普及する中、戦闘機だけ・・・、なんか変です。
米空軍カテゴリー記事600本
→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300801463-1

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