無人機運用要員の削減検討を開始

F-16の1.5倍の人員が必要な現状を問題視
Kwast.jpg24日付Military.comが、米空軍協会の航空戦シンポジウムで記者団と懇談した教育訓練コマンド司令官Steven L. Kwast中将の発言を紹介し、「無人機unmanned aerial vehicles」とは名ばかりで、有人機よりも運用に人員が必要な現状の無人機運用態勢を空軍として問題視し、効率化を目指した調査検討を開始したと報じています
マティス国防長官も、作戦運用や入手情報の処理分析に多くの人員を必要とする無人機を「UAV:unmanned aerial vehicles」と呼ぶことを嫌い、会議や報告を受ける際は事あるごとに指摘しているようで、RPV(remotely piloted vehicle)を推奨してるようで、急増する無人機需要と運用要員の確保は国防省全体で大きな課題となっているようです
その対応の一環として、武器を搭載しないRQ-4無人偵察機の操縦者に、士官限定の制限を取っ払って下士官採用を米空軍は昨年開始したところです
しかし、そんなくらいではとても追いつかない現場の現実があるようです・・・
24日付Military.com記事によれば
MQ-9 3.jpg●Kwast司令官は、米空軍は無人機運用にかかわる人員を一層効率化し、全体の情報収集能力を向上させつつも人員削減可能な方法を探っていると記者団に語った
●「イラクやクやアフガンでは、MQ-1やMQ-9をバンドエイドを張るように対処法として投入してきた」、「change the gameを進める。空軍全体の部署と協力し、より少人数でより効率的なISRが遂行可能な戦略や体制の検討を行っている」と表現した
●また背景にある現状を表現し、「無人機は、例えばF-16飛行隊と比較すると、より大きな運用組織を必要とする。F-16の1.5倍の人員が必要で、10名の人員が無人機1機の常時運用には必要だ」、
MQ-4C4.jpg●「同時に無人機は、衛星通信に依存する点で脆弱だし、敵攻撃にも弱く、展開先によっては運用が難しいこともある」、「だからといって無人機運用の問題点を抱えたままで我慢する必要はない。変化が必要だ。高価すぎるのだ。より安価に運用しなければならない。さもなければ破産する」とも語った
●米空軍として現在、無人機運用と必要人員についてデータ収集を行っており、まずどの部分を効率化すべきかを検討し、更に将来戦略策定につなげたい
●将来の対策には、人工知能AI活用などの新技術活用等が含まれ、労働集積型の構造からの決別を図りたいと同中将は語った
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Kwast2.jpgなぜ教育訓練コマンド司令官がこの問題について発言したのか?・・・がとっても気になるところですが、空軍司令部の作戦部長や計画部長や人材管理部長が戦闘機と爆撃機のことで忙しく、無人機の人材検討を「丸投げ」したんだとしたら危険な兆候です
あんまり適当に検討して人員削減すると、またブラック職場に指定され、操縦者や整備員が大量脱走しかねないので、慎重に検討していただきたいものです
米空軍は無人機操縦者に苦しみ中
「RQ-4操縦者の7割が下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13-1
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11

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