昔の1億円ふるさと創生資金を何となく思い出す・・
23日、米空軍参謀総長Goldfein大将は空軍協会航空戦シンポジウムで講演し、同参謀総長が就任時から必要性を訴えてきた編成単位部隊(飛行隊レベルの前線組織)の活性化のため、また米空軍の優位性確保のため、草の根レベルからのイノベーションを促す資金を提供すると発表しました
「Squadron Innovation Fund」と呼ばれる資金は、各部隊当たり100~300万円で、数週間以内に各部隊に提供されるらしく、米空軍全体では契約65億円程度になるようです。
資金の使用にあたって事前審査が必要なのか不明ですが、かつて竹下総理が行った「ふるさと創生資金1億円」のような「ばらまき型」に近いような印象を報道からは感じました
米空軍がこの「Fund」を立ち上げたのは、昨年11月に同参謀総長が訪問したU-2偵察機飛行隊が、シリコンバレー企業等と連携し、老齢航空機を有効に活用する新しいアイディアを次々と生み出し実用化している様子を目の当たりにしたからだといわれています
「独自に企業と連携のU-2部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-2
23日付Military.com記事によれば
●Goldfein参謀総長は、米空軍の強さを維持するだけでなく、迅速に新たなプロジェクトを「jumpstart」したいと語り、米空軍主要幹部や軍需産業幹部や専門家を前に同ファンドの立ち上げを発表した
●同大将は「米空軍の成功は、各編成単位部隊や同レベルの組織で任務に就く兵士たちによって支えられている。各前線レベル部隊が米空軍の原動力なのだ」、「この資金で部隊レベルからの戦術面でのイノベーションをキックオフする」と表現した
●そして同参謀総長は、「各前線部隊の指揮官こそが、彼らのアイディアを如何に試して洗練させていくかを知っている。このファンドは編成単位部隊長を信頼し、そして彼らを力づける資金であり、厳しさを増す軍事環境の中で、空軍の力と即応態勢を増強して国民の負託にこたえるための革新を支えるものだ」とも語った
●参謀総長は、各部隊がトップダウンの決定ではなく、現場の問題認識や知恵を革新に結び付けたいとも語り、「学会や科学技術界、私企業とも連携することを推奨する」とも表現している
●Heather空軍長官も同Fund発表でコメントし、「我々の原点は、ライト兄弟が初飛行を目指したオハイオ州の自転車屋にある。各部隊で勤務している自転車工の様なアイディアを支援することを目指している」
●「各部隊を視察する中で、現場の隊員が工具を改善したり工夫したりしていることを頻繁に目にしており、このようなイノベーションを加速するためFundを活用したい」と語っている
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たった65億円の予算でありながら、今後の展開が気になる「Squadron Innovation Fund」です。
とんでもない独自すぎるアイディアが飛び出したりするのが米国でしょうが、そんなアイディアを受け入れる土壌も羨ましいところです。日本では無理だろうな・・・前線部隊のアイディアを生かすのは
米空軍の前線単位部隊活性化
「独自に企業と連携のU-2部隊」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-10-2
「任期間の重視事項3つ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13