9日付新華社通信は、同日中国空軍報道官が、J-20戦闘機が空軍の戦闘任務に就いた(have been commissioned into air force combat service)と発表したと報じ、日時や場所は不明ながらJ-20戦闘機と兵士が映る記念式典と思われる写真を掲載しています。
J-20戦闘機(中長距離戦闘機)は、中国報道では第4世代機と呼ばれる一方で、西側軍事関係者は正面方向から見てステルス性があることから第5世代機に分類される戦闘機で、その機体の大きさから長射程ミサイルで高付加価値目標をではないかとまんぐーすが想像している機体です
中国国防省報道官が昨年9月末、J-20が運用を開始した(commissioned J-20 into service)と記者会見で発表しましたが、どうやら総合的に見れば本格的に運用試験や操縦者養成が可能になった程度の意味だったと西側では解釈されていました
これまでの経緯を簡単に整理すると
—2011年に初飛行
—2016年11月、Zhuhai航空ショーで初公開
—2017年7月、人民解放軍90周年記念日に軍事パレード初参加
—2017年11月、中国空軍演習「Red Sword 2017」で重要な任務を果たす
本件を報じた14日付FoxNews記事は
●中国国営の新華社通信が、米空軍F-22のような形状をしたJ-20が運用態勢に入った(has entered service)と報じた
●香港の主要紙であるSouth China Morning Postは、J-20が運用態勢に入ったとはいえ、米空軍戦闘機に及ぶような能力はないと報じ、特に搭載予定だった中国製のエンジンWS-15開発がうまくいっていないと解説している
●同香港紙は、WS-15エンジンが2015年の地上試験中に爆発事故を起こし、強力なジェットエンジン製造に不可欠なタービンブレードの品質管理に問題があると指摘し、
●運用開始したといわれるJ-20は、中国製J-10やJ-11が搭載している能力が劣るWS-10Bエンジンを代替でとりあえず搭載していると報じている
●そして、WS-15エンジンが搭載可能になるまでJ-20は量産体制には入らないとし、WS-15も問題解決には約8年が必要だと報じている
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ジェットエンジン開発は、その国の工業能力を示すバロメータといわれるほど総合力が問われる難しい仕事です
将来戦の「Game Changer」といわれるような分野で、中国の猛追が多くの分野で報じられていますが、難しところは難しいのでしょう・・・依然として・・・
J-20関連の記事
「中国国防省が運用開始と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-30-1
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02