究極目標は大型無人機でブースト段階迎撃ですが・・・
12日付Military.comが、米国ミサイル防衛庁(MDA)がボーイング社と、9か月間10億円でMQ-9のような無人機にレーザーターゲティング装備を設計、搭載、試験する契約を結んだと報じています。
MDAは関連の契約を、ロッキードと10月に約11億円で、MQ-9機体製造のGeneral Atomics と11月に約10億円で結んでおり、2016年には他にNorthrop GrummanやRaytheonとも契約を開始しており、米国の主要航空軍需産業を総動員し、とりあえず無人機に低出力精密追尾レーザー装置を搭載しようとしています
もちろん弾道ミサイル対処だけでなく、地上目標への精密誘導攻撃にも活用でき、発射直前の弾道ミサイルを破壊することも狙いにあるようですが、記事が究極的には、高高度無人機に搭載してブースト段階でのICBMキルにも応用が考えられるとしてます
どの程度のスピード感で試験や配備が計画されているのかが記事からは不明ですが、一部の試験は米海軍の演習で既に開始されているようであり、無人機活用の更なる発展に注目したいと思います
12日付Military.com記事によれば
●当面の目標は、MQ-9などの航空アセットに「precision tracking lasers」を搭載することである
●例えば、MQ-9にレイセオン製の光学赤外長距離レーザーターゲティング装置「Multi-Spectral Targeting System」 を搭載し、米海軍演習で試験に成功している
●MDAの担当高官は、この装置の能力で北朝鮮のICBM発射を探知することにも活用できるとも語っている
●また同高官は今年5月、無人機に搭載した赤外線センサーでは、通常のレーダーの覆域を数百マイル超える遠方で、発射前の弾道ミサイルを正確に特定できるとも語っている
●更にこの技術は究極的に、迎撃用レーザーに発展し、先進の高高度無人機に搭載され、ブーストフェーズでICBMを迎撃することを可能にする可能性を持っている
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今も対ISISやアフガンで無人機が活躍していますが、それら無人機が搭載しているであろう軽易な照準装置とのレベルの違いがよく分かりません
いずれにしても、このような技術の積み重ねが、いつか「スターウォーズ症候群」を乗り越え、現実に近づくことを願いつつ・・・
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