米空軍は操縦者だけでなく整備員も不足

maintainers2.jpg9日、米空軍司令部の作戦部長Mark C. Nowland中将が下院軍事委員会で証言し、約3400名不足している航空機整備員不足に対処するため、当面の間、戦闘行動に関わる飛行部隊優先でベテラン整備員を配置し、その他の部隊には民間の契約整備員を配置する等の措置で2020年まで乗り切ると説明しました
民間分野での航空需要の高まりというパイロット不足と共有の背景はあるものの整備員不足の大きな原因は、米空軍が計画していたA-10攻撃機の全廃と整備員流用が議会等の反対で出来なくなり、F-35急増等に対応できなくなっていることにあります
10日付DODBuzz記事によれば
maintainers.jpg●Nowland中将は「米空軍はそれが可能な部隊から、整備員を戦闘任務にあたる飛行部隊に移動させている」と語り、「例えばF-35の立ち上げに伴い、飛行教育部隊などは契約民間企業の整備員委で代替し、整備員を戦闘部隊に移籍させている」と説明した
●そして整備員不足が解消出来たら、「それら移籍させた米空軍兵士である整備員を元の部隊に戻したい」と証言した
●米空軍は昨年、2017年夏から民間の契約整備員を活用すると発表し、2020年までの期間限定での活用だと説明していた
●また今年2月に米空軍司令部の兵站部長John Cooper中将は、約4000名の整備員不足に対応するため、毎月40名の整備員養成を開始していると説明し、「これまでで不足数を3400名にまで減らすことができた。2020-2021年までには不足数をゼロにする計画だ」と語っていた
maintainers3.jpg●そしてCooper中将は、過去5年間、米空軍の継続した悩みは航空機整備未経験の若者を訓練し、可能な限り早く戦闘機や爆撃機部隊に配属することであったと9日に語り、同時に不足解消は近づいていると説明した
●例えば1機当たりF-35は、前線の航空機整備に12人と支援要員8名の計20名の整備員が必要で、この数はF-16戦闘爆撃機と同数だが、F-22やF-15は計23~24名の整備員が必要である
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F-35に必要な整備員数は、F-22やF-15と比較して2割弱少ないようですが、A-10から流用しようとしていたベテラン整備員の穴を数年で埋められるはずもなく、計画上はあと3年で「不足解消」でも、質の面では10年以上は必要でしょう
また、まだまだ初期型の「ソフト3i」で運用しているF-35ですが、とりあえず完成版のソフト「3F」になれば搭載兵器も増えて整備員所要は増加も考えられますし、F-35アピールには十分な注意が必要です
米空軍整備員不足の苦悩
「米空軍機の稼働率が異常低下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-02
「整備員不足対処案も苦悩続く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-03
「F-35整備員確保の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14
「A-10全廃は延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22

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