中国海軍が3月に予言していたのはこれか?
9日付Defense-Newsが香港紙を引用し、中国海軍の研究開発チームが、従来の交流電力を用いた推進装置ではなく、画期的な直流電力を用いた艦艇推進システムの開発に成功し、3隻目の中国国産空母に搭載して電磁カタパルト(EMALS)装備が可能になると報じています
この艦艇推進システムの「breakthrough」と言われても、技術的な意味をさっぱり理解していませんが、EMALSだけでなく、3月に海軍幹部が「最終目標」と語った新型推進装置による「高エネルギー兵器搭載の課題克服」にもつながる技術革新の可能性もあるようです
記事は、米海軍が使用している原子力推進でなくても大きなエネルギーが得られることや、中国海軍が既に陸上の飛行場にEMALSを設置して試験を開始していることも紹介しており、真偽のほか今後の動向が注目される内容ですのでご紹介します
9日付Defense-News記事によれば
●香港のSouth China Morning Post紙は、中国海軍Ma Weiming少将が率いる開発チームに近い筋からの情報として、 中国海軍が原子力によらない画期的な「medium-voltage, direct-current transmission network」開発に成功し、電磁カタパルト(EMALS)搭載だけでなく、大電力を必要とするレールガンやエネルギー兵器搭載にも道を開くと報じた
●中国は現在空母遼寧を運用し、2番艦の艤装を行っているが、8万トン級と言われる3番艦は初めてカタパルトを搭載し、しかも電磁式カタパルトEMALS搭載を目指しているが、必要な巨大電力確保の問題に直面していた
●2番艦までの中国空母はカタパルトを装備していないことから、機体重量が重い航空機の運用ができず、J-15戦闘爆撃機も搭載燃料が制限されて航続距離が短く、E-2早期警戒機や輸送機の運用ができ無いのでZ-18 輸送ヘリで代替を行うことから能力が劣る状態にある
●2016年後半に中国海軍は、Huangdicun基地に2つの試験及び訓練用カタパルトを設置しており、1つは蒸気式カタパルトで、もう一つは電磁カタパルトだと考えられている。同基地では改良型のJ-15戦闘機が確認されており、両システムの試験を行っていると見られている
●3月にMa Weiming少将は国営CCTVで、融合推進システムに取り組む究極の目的は、新型推進装置による高エネルギー兵器搭載の課題克服だと述べており、中国海軍艦艇は最新のレールガンや高エネルギー兵器の搭載を目指している
●同少将はまた、中国製のEMALSが米国のフォード級空母に搭載開始されたEMALSより優れているとも語っていた
●なお今年6月から就航後の運用試験を行っているフォード級空母の1番艦である空母フォードでは、FA-18やEA-18Gが増槽燃料タンクを装着して離陸する際、許容値以上の振動を生じることが問題となっている
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技術的な知識がないので、交流電力を用いたことが、推進装置に革新をもたらすのか、発電装置に革命をもたらすのかもよくわかりませんが、何やら大変なことの様です
先日は、中国のAI技術開発が猛烈に進化しているとご紹介しましたが、電気自動車であったりいろんな分野で急速に技術進化が進んでいるようです。今後にご注目です
キーワードは「a medium-voltage, direct-current transmission network」です
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