10月の第一週、米海軍がこっそりと、初の空母艦載無人機となる無人空中給油機MQ-25 Stingrayの提案要求書(RFP)を発出していたことが11日に明らかになり、米海軍協会web記事が米海軍航空部隊報道官などの発言を紹介しています
提案要求書は「Lockheed Martin」、「Boeing」、「Northrop Grumman」、「General Atomics」の4企業に提示され、 2019年の運用開始に向け、機種選定作業が本格化します
そんな中、早くもGeneral Atomics社が提案機種の模型を公開し、話題を集めているようです
11日付米海軍協会web記事によれば
●米海軍は具体的な要求事項をほとんど明らかにしていないが、MQ-25 Stingrayは空母から500nm離れた場所で、15000ポンドの給油が可能な性能が求められることになる
●現在FA-18の戦闘行動半径は約450nmであるが、MQ-25 の導入によりこの距離を追加で300~400nm延伸することが可能となる計算になり、700nmを超える行動半径を獲得することになる
●機種選定に参戦する4企業のうち、General Atomics社は早くも、ターボファンエンジンにV型尾翼を持つ「D-704 buddy tank refueling system」の想像図を明らかにした
●同社も、機体の大きさや燃料搭載量などの細部は明らかにしていないが、MQ-1やMQ-9が搭載する光学ボールカメラを搭載し、着陸ギアが機体内に格納されるS-3バイキング方式を採用している
●また、米海軍が設定した要求性能に加え、同社は拡張性の余地を設計に含めている
●退役海軍少将で同社に勤務するTerry Kraft氏は、「兵器搭載やISR装備搭載の余地を確保している。海軍は既にレーダー搭載用のフック装備を求めている。最終的にはこの無人機はトラックになるんじゃないか」と最後は冗談まで飛び出した
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拡張性は重要ですが、要求性がグラグラで、中途半端な「困ったちゃん」ができ上るのではないかと危惧します。
現在FA-18飛行時間の3割程度を割いている給油任務を軽減することで、FA-18本来の作戦任務に充当できること。
また、MQ-25が任務用給油と帰還時給油の両方をこなすことができ、その両方をFA-18給油型よりも効率的に行って4~6機の面倒を見ることができるてる点も導入効果として強調されています
MQ-25のゴタゴタな道のり
「MQ-25でFA-18活動が倍に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
「MQ-25のステルス性は後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-27
「CBARSの名称はMQ-25Aに」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
「UCLASSはCBARSへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-02
「UCLASS選定延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1
「米海軍の組織防衛で混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
「国防省がRFPに待った!」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-12